先日まで、沖縄に行ってきました。観光でか、仕事でか、は内緒です。

 1991年のことです。沖縄在住のアメリカ軍人が、原因不明の発熱・痙攣・意識障害をきたしました。彼らの共通点は、沖縄本島北部のジャングルで野営(キャンプ)をし、水田や豚小屋の近くを歩いたということです。彼らは、日本脳炎ウイルスを保有したコガタアカイエカにさされていたのです。コガタアカイエカは水田で繁殖し、日本脳炎ウイルスは豚の体内で増幅するのです。

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2514dir/n2514_03.htm

 以上、東アジアに展開する米国軍人軍属に対する日本脳炎ワクチン接種勧奨を始めたきっかけになった事例です。

 日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控えとなって、すでに3年以上経過していますが、果たして今年も日本脳炎の感染者は出ています。

 ただし、以前も書いたとおり水田や豚小屋の少ない板橋区では今のところ日本脳炎が発祥する素因は少ないです(ゼロではありませんが)。また、日本脳炎ワクチンを保有するコガタアカイエカに刺されても発症率は1-0.1%と低いです。また、コガタアカイエカからヒトに日本脳炎が伝染することはあっても、人から人へと日本脳炎が伝染することはありません。

 まずは取り急ぎご連絡まで。