番外編です。

 4月から、板橋区公式ホームページ がリニューアルされました。
 感染症・予防接種は以下のように手繰れます。
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 そのなかに「麻しん・風しん予防接種について 」というのがあります。問題は、「混合ワクチンを接種できない例外」の項目です。

(接種方法第1期)


混合ワクチンを接種できない例外の対象者

1歳以上2歳未満のお子さん



麻しん単独ワクチン既接種者または麻しんにかかったことが明らかなお子さん

風しん単独ワクチン



風しん単独ワクチン既接種者または風しんにかかったことが明らかなお子さん

麻しん単独ワクチン



麻しん単独ワクチン及び風しん単独ワクチン両方の既接種者または麻しん及び風しんにかかったことが明らかなお子さん

接種不要


 ご丁寧に強調されていますが、これは誤りです
 上を素直に解釈すれば、「0歳児で麻疹(MR)ワクチンを接種すれば、1歳でMRワクチンが受けられなくなる」となってしまいます。
 以前も書きましたが、厚労省の通知を挙げておきます。


http://hoshikawa.or.tv/staff/infant-mr.pdf
生後12月未満の時点で麻しん及び風しんのワクチン接種を受けた児については、予防接種法施行規則(昭和23年厚生省令第36号)第2条第1号に規定する「当該予防接種に相当する予防接種を受けたことのある者」に該当しないことから、定期の予防接種の対象者として差し支えない。

 また、国立感染症研究所のサイトも覗いてみましょう。

http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/QA-3.html

Q3-[1]:0歳で1回麻疹ワクチンを受けました。今後どのようなスケジュールでワクチンを接種すれば良いでしょうか。

周りで麻疹の流行があり、緊急避難的に0歳で任意の麻疹ワクチン接種を受けた場合、1歳になったら忘れずに、第一期の麻疹風疹混合ワクチンの接種を受けるようにしてください。0歳での接種は、1歳以上での接種に比べて、母体由来の抗体の残存などから免疫の獲得が十分ではないことがあるため、そのまま第二期の年齢まで接種を受けずにいると、途中で麻疹にかかってしまう可能性があるからです。また第二期は、同じように小学校入学前1年間(4月1日から3月31日まで)の間に麻疹風疹混合ワクチンの接種を受けて下さい。

米国では小学校入学時にMMRワクチンの2回接種が求められていますが、0歳で受けたワクチンはその回数に含まれないことになっています(米国小児科学会:Red Book 2006より)。


 以上、「混合ワクチンを接種できない例外」については、板橋区の誤りということがわかると思います。皆様安心して、0歳児でもMRワクチンを受けてください

おまけ
魚拓 とっておきます。