更新が遅くなってしまいました。

 去年の11月に2008年4月1日からの、ワクチンスケジュールが発表されました。
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule.html
 変更点を、年齢順に挙げていきます。

1.ヒブワクチンが任意接種に組み込まれた
 「ようやく」ですが、Hib(ヒブワクチン)が承認されました。実際に接種できるのは、3~4月になるということです。
 スケジュールでは、DPT一期と同時接種することになりますが、これは海外では普通に行われていることです(ただし、多くの国ではDPTもヒブワクチンも公費負担です)。

 DPT同士の接種間隔は最低3週間ですが、ヒブワクチン同士の場合の接種間隔は最低四週間です。この接種間隔のずれを、どのように厚労省が修正していく予定なのか今のところ不明です。

2.肺炎球菌ワクチン(23価多糖体、PPV)がスケジュール表に載った
 23価多糖体肺炎球菌ワクチン(PPV)は、高齢者および脾臓摘出などの基礎疾患を持った2歳以上の小児を対称にしています。逆に言えば、2歳未満の小児に接種することはできません。
 海外では小児を対象にした7価の肺炎球菌ワクチン(PCV)接種が行われていますが、日本では2008年1月現在、承認すらされていないのです。

3.MRワクチンの接種時期がより明確に、より早期になった。
 去年までのスケジュール表ではMRは第一期・第二期ともに、「標準的な接種年齢」を表す濃いえんじ色でしたが、新しいスケジュール表では濃いえんじ色が三割弱になりました(おそらく三か月分)。さらに、第一期では「接種」の矢印が1歳を少し過ぎたころから、1歳丁度になりました。できるだけ早くMRワクチンを接種してもらいたいという意思の表れだと思います。

4.水痘・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)が完全に分離し、推奨する接種時期が示された
 去年までは、水痘・おたふくかぜが破線で分かれて、接種時期・接種順序もあいまいでした。
 今年からは、黒線で明確に分離されています。また、接種時期が水痘のほうが若干早く示唆されています。ただ、水痘・おたふくかぜのどちらかを先にするかはその時々の流行状況によると思いますし、保護者の同意があれば同時接種もできます

5.MRワクチンの接種時期で、第三期と第四期ができた。
 これが、今回の改正でヒブワクチンにと同じくらいの目玉だと思います。
 この改正は平成20年4月からの5年間のみです。これで、平成18年4月から行われたMR第二期が接種できなかった、小学二年生以上高校一年生以下(平成18年4月当時)の子供たちが二回目の接種を行うことができます

 いろいろと突っ込みしたいところも個人的にはあるのですが、積極的にワクチン接種を推進してHib感染症や麻疹を減らそうという趣旨は理解できます。

 因みに、アメリカのワクチンはどのようになっているでしょうか?
http://www.cdc.gov/vaccines/recs/schedules/child-schedule.htm
 これをみると、まだまだ日本は遅れているな、という感じはします。