小説
『Challenging in tennis』
本編02話『実業団』

話は前回から遡ること5日前に戻る。少しここで、俺のテニスに対するモチベーションについて触れておくこととする。

小柄なメタボ体型44歳のIT系の会社に勤めるどこにでもいそうな平凡なサラリーマン。

家族構成は妻に長男。家は2世帯で下には妻の両親が住んでいる。2世帯と行っても上下それぞれに、玄関・トイレ・風呂がある。中には内階段があり、そこで1階2階で行き来できる。
わかりやすく言うと、平成版マスオさんってとこかな(笑)完全に分かれているので割と自宅ではノンビリできる。妻の小言がなければ💦


この4月から、俺は自社の実業団に初挑戦することになった。

自ら自社の労働組合という組織(組合委員長が同期の友人)で2年前から、テニス大会・教室を企画し、その大会(男子ダブルス)で2連覇を達成していた。相手にはプロを目指していたジュニアあがりの若手もおり、それなりのレベルの試合だ。

会社の規模(グループ会社を含めると1万人超)を考えると、当然なのかもしれない。

それを考えると、俺でもまだ自社の実業団に出ても戦力になるのではないかと、思いついたのが1週間前。
責任者の若手に連絡を取りあれよあれよと今日実業団の試合に出ることに。

今月は横浜市民大会(ダブルス)もある。

今まで日曜日夕方週一のテニススクール(一応トーナメントクラス)がメインのテニスをする機会であったが、毎週日曜日が試合になること。そしてよりレベルの高いところでやりたいと久々に自分の中で『やる気』を感じ始めたので金曜よるのトーナメントクラスに移籍をする。

さて実業団、チームメイトが全員初対面という特殊な環境ではあった。
体力的にはシングルスの3セットマッチは不安があるため、ダブルスでと希望を出してあった。パートナーの東村さん(年齢は私よりやや若い)と少し話し、チーム内での練習へ。
  チーム内最年長ではあったが、練習をみた限りではとりたてて自分より上手な方がいる感じではなかった。行けると思ってた。

東京都9部。去年まで藤沢市の1部(補欠)でやってたし、通用するはずだ。

東村さんと組んだダブルス2は惨敗。
東村さんはシングルス1にも起用されておりそこでは勝利している。
初対面の方とのダブルス、初戦の緊張感。色々要素はあるけど、実力も出せてないし惨敗という言葉がぴったりな試合であった。

負けると課題も見つかり、モチベもあがる。

翌週は横浜市民が控えてた。巻き返す事しか考えていなかった。
チビメタボの俺は年甲斐もなく、熱くなっていた。