この連携により、決められた内線番号へ電話することで自動的に館内放送システムへ接続され、全員への連絡や離席者への外線保留の連絡等を行うことが出来ます。
ポイントは2つあります。
1.IP電話システムからどうやって音響システムへ音声を流すのか?
2.館内放送システムを構築するための基本知識
それでは順番に書いていきます。

この製品は、設定した内線番号に電話をかけるとワンコールで自動的に応答し、つながった後は話している声をアナログ音声へ変換して、館内放送システムのアンプへ伝送してくれます。
またPoEに対応しているので、IP電話システムの為にPoE対応スイッチを使っていると電源は不要となります。
設定は簡単で、工場出荷時のIPアドレスが192.168.0.1となっているので、最初はクロスケーブルを使いPCと一対一で接続し、PC側は192.168.0.2とかにしておきます。
接続したら、http://192.168.0.1 で設定画面が開きます。
まずは画面左のメニューよりページャー設定を選びます。
ページャー設定が『ページング』になっていることを確認します。
次に詳細設定を選びます。
仮に、内線番号を600番 IPアドレスは192.168.1.20 とすると設定は以下のようになります。
放送機能設定
着信用SIP URI sip:600@192.168.1.20
放送音 前置音 短音1
後置音 なし
応答待機時間(秒) 1.5
自動切断タイマー 120
入出力端子 AUX入力 使用しない
後面LEVEL調整 音声放送時 使用する
AUX入力時
放送出力音量調整 3
放送出力モニター 両方

以上でVE-PG1の設定は終了です。IP電話システムのネットワークへ接続してください。
上記の設定では放送出力モニターをONにしてますので、アンプにつながない状態でも本体内蔵のスピーカーから音が出ます。
さて、次はAsteriskの設定です。
この機器はsipサーバへのレジストは必要ありません。単純にextensions.confの発信動作のセクションに下記を追加するだけで動作します。
exten => 600,1,Dial(SIP/600@192.168.1.20)
exten => 600,n,Congestion
上記の追加が終わったら、asterisk -r でコマンドモードに入り、dialplan reload で新しいxtensions.confを有効にします。
新しい内線600番を呼び出すと、まず『プー!』という発信音が聞こえます。その後は電話機に話した声がVE-PG1の内蔵スピーカーから流れてきます。スピーカーの音量は、設定画面の『放送出力音量調整』で1~10まで調整出来ます。
放送音の前置音を変更すると、デパートのような『ポンポンポンポ~ン♪』という4音upや、後置音を設定すると放送後の流れるチャイムも設定できます。
■ちょっと長くなってきたので、館内放送システム構築の基礎知識と連携についてはページを改めることにします。