第1節 発端 -The beginning-


この事件はC社が請け負っている案件のメールサーバにまつわる問題の解決を依頼されたことから始まった。


なお、事件は1ヶ月後を期限としており、時間的余裕は無いに等しい。


また、この問題はC社で解決することが極めて困難であった為にこちらに依頼されたという経緯がある。


それを1ヶ月で解決してほしいというのだから正気の沙汰ではないということが理解していただけるであろう。



第2節 環境 -Environment-


メールサーバの構成はオーソドックスな二段構え。


まずDMZにSendmailサーバが存在し、これが中継サーバになっている。


Sendmailサーバがメールを受け取ると、イントラネットのExchangeサーバに転送するという仕組みだ。


ただし、リレーする際にある要件があり、その為に転送にはProcmailを利用していた。


そのある要件とは、特定のドメインから送信されたメールを別のアカウントにも複製して送信するというものだった。



第3節 問題 -Problem-


ここで起こっている事件の全貌を明らかにする。


それはSendmailサーバにて転送したメールの宛先がExchangeサーバに存在しなかった場合に、メールの送り主に配達不能通知(NDR)が返信されないというものだ。


また配達不能通知(NDR)はSendmailサーバのrootアカウントに向けて返信されているという話だった。


ただ、このご時世にわざわざ配達不能通知(NDR)を返信するということはSPAM業者を呼び寄せることになりうるのだが、まぁその辺は黙っておこう。



次回は推理編。(の予定)