20080418 マレーシアは初めてですか?
朝から国立美術館に向かう。
川ではスピニングタックルで小さな網を投げたり、引っかけ針を投げたりする人が。
みるみる間に網で2匹、引っかけで1匹小魚をキャッチしていた。
獲れた魚をそのままキープしていた。
泥の濁りだけでなく、この川は汚染してると思うけどなぁ。
10時のオープンを待って美術館に入った。
無料。中は撮影禁止だった。
2時間あれば十分見れるだろうと考えていたが、かなり展示数が多く最後は駆け足だった。
古い伝統的な彫刻と家具、それらの作風のレプリカ。
文化的に洋の東西がぶつかり、交るマレーシアでは芸術もそうなのだろう。
作品はエネルギーに満ちたものが多い。
観光メインで来るならここは時間をかけて見たいスポットだ。
とはいえ、この日はあるがまにあさんと空港で合流する日。
『レッド・ドラゴン・バックパッカーズ』に戻ってチェックアウトした。
荷物を担いで空港に。
会って、まずなんて言おうか考えた。
飛行機は予定どうりついたようだ。
待っているとあるがまにあさんがゲートから出てきた。
そこで第一声。
「ミスター、マレーシアは初めてですか? 」
僕らは笑い合った。
「なんで現地の人みたいになってんの」
と、ちょっとウケた。
両替をして、空港のロビーに座り込む二人。
若干の状況説明。
現地の池は餌釣りのプレッシャーが高いこと。
ライギョタックルを活かした超ヘビーカバー攻略に賭けること。
ホテルはなかなか快適なこと。
自転車屋で自転車を購入できること。
とにかくKLセントラル行きの特急に乗った。
KLセントラルからの夜行列車まではまだ時間があった。
電車でKLCCに向かった。
KLCCのタワー前で記念撮影。
そそくさと引き返し、KLセントラルのマクドナルドで夕食にした。
飲み物のLサイズは明らかに日本のLサイズよりでかい。
列車に乗り込むと車両を間違えていた。
1つ後ろの車両に乗り込み、無事出発。
目的の田舎町には深夜に着く。
二人とも眠らずに着いた。
あるがまにあさんに心配をかけるだけなので詳しくは言わなかったが、
実は体調はあまり良くない。
風邪も治りかけているが、本調子には程遠い。
予測どおり駅にはタクシーすら止まっていなかった。
ホテルのある市街地まであるくが、僕は遠回りの道しかしらなかった。
のちに近道を発見することになるのだが。
1時間近くあるいてホテルに着いた。
フロントにいたボーイを外から起こして玄関を開けてもらう。
前にいたボーイと違うけど、
1週間前に泊まったことと、ミスター・リーと顔見知りだと言って、
前と同じ部屋を借りた。
部屋はダブルベッドが1つ。
並んで眠った。
20080419 ダウン
フロントにミスター・リーは居なかった。
自転車屋が開くのが朝9時。
自転車を1台は借りれれば出費が抑えられるがしょうがない。
まず、あるがまにあさんが1台自転車を買った。
段変速のマウンテンバイク。
僕は段変速なし。
早速、出発した。
まずは超ヘビーカバーの池。
ここは1投もせずにとっておいた場所。
ハス、ホテイアオイ、などの複合で減水しているようだ。
ハスに若干のポケットがあり、何やら小魚が捕食されている様子。
あるがまにあさんがアタックをとったがフッキングに至らず。
ハロワンか?
大きく移動することにした。
途中、無数にある池でルアーを投げるがことごとく無反応。
水面のほとんどをホテイアオイが埋め尽くした池。
鳥にやられたのかナイフフィッシュの死骸が岸に転がっている。
流れ込みにはティラピラのような魚の群れ。
あるがまにあさんがその中にトゥクナレの若魚を発見した。
フロッグからスピナーベイトにチェンジしたがノーバイト。
それにスピナーベイトは新家さんのブラジル釣行記では
トゥクナレのアタックはあるが全然フッキングしないとあった。
次に地元の青年が教えてくれた穴場、アンブレラ池に向かった。
途中にコーヒーショップがあるはずなので手持ちの飲み物はガンガン飲んだ。
するとコーヒーショップは閉まっていた。
なんということか。
店主はナマズの養魚池のまわりでのんびりしていて店を開ける気配はない。
自転車が重い。
アンブレラ池に着くと、車数台が止まっていて餌釣りをしていた。
ウェーディング開始。
カナダ藻系の沈水植物の上、そのエッジを探る。
あるがまにあさんにヒット。
60cm級の黒い魚体が見えた。
トーマンか?
フッキングを入れると、なんと捨ててあったPEラインに絡まりフックアウト。
ポッパーフロッグも破壊された様子。
惜しい。
そのあと僕がBOPで大きなポップ音を出しているとアタック。
これはルアーを持ち込んでいかず。
ウェーディングできたのはその一角だけで、他は意外と水深があり、
草も深く攻略できなかった。
この日、メインで考えていたこのポイントはキャッチなく終わった。
穴場の他の池はもっと奥地で分からない。
とりあえずコーヒーショップの道に戻ることにした。
途中の道で民家の裏にちらりと池が見える。
僕はダウン寸前であるがまにあさんだけが打ちに行った。
アタックが1回だけ。
ふらふら自転車をこいでいるとさっき閉まっていたコーヒーショップが開いている。
ありがたい。
缶ジュースを飲み干す。
サロンパスの味をしたコーラと呼びたいサーシに
あるがまにあさんは閉口していた。
余ったサーシをもらった。
あるがまにあさんはこの先のポイントに行きたいという。
僕はダウンしてコーヒーショップで休むことにした。
時間を決めて戻ってきてもらう。
脱水症状だったのかもしれない。
バナナの天ぷらを食べたり、ナシ・ゴレンを食べたりしているうちに随分元気になった。
スコールは軽かったが、大丈夫だろうか。
時間になってもあるがまにあさんはショップに戻って来ない。
一本道なので見に行こうと自転車を漕ぎ出すと戻って来た。
広大な池、カバーの濃い池があったがノーバイトという。
地元の釣り師がたくさんいた。
ウェーディングで池にはまり、藪こぎで茶色のアリにたかられた。
そんな話を聞きながら、ショップで休む。
日没までに戻らないと道には街灯など皆無だ。
10kmほどの道を戻った。
夕食はピザハット。
ピザは普通に美味いが、あるがまにあさんが頼んだスパゲッティはちょっと違うものが出てきた。
給食の焼きそばに近いような。
この日もなんとか無事に過ごせた。
しかし、魚はキャッチには至らず。
もはや僕はキャッチするかどうかに関係なく楽しもうとしていた。
やる気がないのとは違う。
明日はついに実釣最終日だ。
20080420 熟成され蒸留された1滴
夜明け。
この日もミスター・リーはフロントに居なかった。
今日は昨日とは違うルートで幹線道路で南下する。
しばらく行くと道路沿いにカナダ藻系の沈水植物の池が見えた。
車を停めるスペースがないこと、おかっぱりをするには岸辺が湿地の泥沼。
これはひょっとしてひょっとするのか。
釣り開始。
3投目ぐらいだったか。イネ科のソフトブッシュの際。
ロングポーズをとっていたポッパーフロッグを動かすと水面が割れた。
アワセるとすっぽ抜けた。居る。
おそらくハロワン。
そのすぐあと、あるがまにあさんにアタック。
見事なフッキング。
タックルはヘビーなので魚はするするよって来た。
ハロワン。
小型のカムルチーと同じタイミングで乗ったという。
あるがまにあさんはとても喜んでいた。
カムルチーの大型にも勝る喜びだとか。
彼にとっての熟成され蒸留された1滴に出会えたのだ。
僕も嬉しい。
よし、僕も釣るぞと意気込むと水牛たちがざぶさぶと池に入って来た。
ああ、さっきアタックのあったポイントが。
水牛が池を渡ったところだけハードボトムになっていた。
ウェーディングして攻めるとあるがまにあさんにアタックがある。
これは乗らず。
今日は出だしからいい。
幹線道路をさらに南下するとクラクションを鳴らす車が。
ミスター・リーとその家族だった。
あと20kmぐらい行ったところが彼の家で、
家まで行けば爺さんが車でトーマンのポイントに案内してやるぞ、
ということだった。が、僕が自転車じゃ遠すぎると言ったので、
近くの彼の友達を紹介してくれた。
彼の友達はおばちゃんで、子供と一緒に僕たちを案内してくれた。
このおばちゃんはホテルのフロント係をしていた男のお姉さんにあたるという。
私有地らしき場所の門を開けてくれて、トーマンが居る池とその脇の蓮の池に連れて行ってくれた。
ミスター・リーとその家族とはここで別れた。
僕たちは他にもカバーの池はないか聞こうとしていたが、この池は単発みたいで、
周囲に他の池はなかった。
まず、脇にあった小さな蓮池。
ここはノーバイト。
トーマンが居るという池。
ここもアタックはない。
しばらくするとおばちゃんは原付バイクで戻ってきてくれて、
知り合いの裏庭の木陰に案内してくれた。
ここは涼しいから、ここから投げて頑張れ、ということだった。
とりあえず腹も減ったし、のども渇いたので幹線道路まで戻り、
ショップで休憩した。
池に戻り、ハスのエリアを見てみると、池と切り離された小さな沼があった。
ハロワンの居そうな雰囲気。
捕食音らしき音は聞こえたがアタックはない。
僕は一旦、移動して木陰をデカいプラグでトーマンを狙う。
スラマー社のクリーピントム。
巨大なクレイジークローラーと言いたいこのプラグはどこかのサイトでコビトと呼ばれていた。
リールを巻くとトポン、トポンと音を立てて小人が近づいてくる。
何も起きない。
ハスエリアは奥にウェーディングできるということで、
あるがまにさんの所に戻った。
ここもなかなか何も起きない。
小さな沼を丁寧に攻めていたあるがまにあさんがついに2匹目のハロワンをキャッチ。
しかも、サイズアップしていた。
これも写真を撮ってリリースした。
よし、休むかと陸にあがると僕のウェーダーになにやら蠢くやつが。
尺取り虫かな、と思ったが違う。
ヒルだ。山ビルの一種だろう。木からポトリと落ちてくる奴。
この手の虫はかなり苦手だ。
はたき落したあと、念のためウェーダーの中を見るともう1匹いた。
うあああ。あるがまにあさんに後ろとかも見てもらった。
幸い、他にはいないし、血も吸われていなかった。
お礼を言いにおばちゃんの家に戻った。
ハロワン1匹釣れて、写真を撮ってリリースしたというと、笑っていた。
リリースせずにあげても良かったかな。
そこにギプスをはめた男の人が現れた。おそらくご主人。
ギプスさえなければいっつも釣りに行くという釣り狂らしい。
次にマレーシアに来たら何時でも寄ってくれということだった。
僕たちはさらに南下して進んだ。
だいぶ遠くに来たな。
そろそろ引き返す地点かな、というところで僕の自転車がパンクした。
うう。もうだめだ。
がっくり来ているとあるがまにあさんから提案。
自転車を交換しよう、そしてもう少しだけ開拓しよう、と。
自転車を交換し、あるがまにあさんはパンクしたタイヤで進む。
道の奥は細くなっていて、野犬らしきものが居たので戻ろうと決断した。
パンクしたあたりにハス池が一つあったがここはノーバイト。
道を戻り、途中に通り過ぎた野池群を目指した。
ここでスコール。雨宿りしていると、ムササビのような動物を見た。
牧場らしく蚊が多い。
日もだいぶ傾いてきた。最後のチャンスだ。
ようやく見つけた池は岸までかなり遠く、湿地が広がっている。
気合いで進む、あるがまにあさんについていったが途中で深くなり岸にたどり着けない。
別のエントリー地点を探しているとあるがまにあさんのウェーダーにヒルがいた。
うあああ。これは水中にいるやつだろう。
親指ぐらいある。ライターはオイル切れ。
木の枝でようやく引き剥がした。
別の入口を発見し、岸に出てみるとハスのカバー。濁りがきつい。
僕たちのルアーには何も起こらなかった。
釣りが終わったのであるがまにあさんはウェーダーを脱いでサドルにひいた。
タイヤの振動対策だ。しかし、見るからにつらそうだ。
幹線道路を北上し戻っているとまたクラクションを鳴らす車が。
ミスター・リーとその家族だ。
自転車がパンクしているのを知るとミスター・リーは
中華系の小さな町で修理できるかも、と一足先に車を走らせた。
僕たちが追いつくと、日曜で閉まっている彼の知り合いの店を開けてもらった。
チューブを交換して直った。
ミスター・リーとその家族とはここで別れた。
彼らの車が行く時、僕は帽子を脱いで頭を下げた。
そのあとの道は順調で、ホテルに着いた。
自転車2台はホテルに寄付した。
ミスター・リーは喜んでくれるだろう。
夕食はご当地らしいものを食べようとマレー系のレストランへ。
あるがまにあさんとナシ・ゴレンやミー・ゴレンを食べた。
スープを頼もうと思ったら、インスタントラーメンみたいなのが出てきて、
これだけは残してしまった。
麺は賞味期限が2年切れたやつを1時間煮込んだような、ねとねともそもそした麺。
スープはカレー味のようなうっすらしたもの。
残して怒られたらどうしようと思ったが、普通にお金を払って店を出た。
帰りの電車までは時間がある。
僕ちたちは交代で仮眠をとった。
20080421 それぞれの帰路へ
深夜、ホテルをチェックアウトする。
駅までの近道も分かった。
僕は夜の便なので急がないが、あるがまにあさんは翌朝KLから飛行機で帰る。
電車は1時間ほど遅れて到着した。
もう少し遅れたらスケジュールが狂うところだった。
電車に乗り込むとなにやらフニャフニャ喋る怪しい男が。
僕たちの車両はこっちだという。
そこへ車掌が。
怪しい男とは反対側が正解。男は居なくなっていた。
車掌についていった。
あとは終点で降りるだけ。
あるがまにあさんに開高健の『オーパ!!』を貸して、僕は眠った。
朝、KLセントラル駅で僕たちは別れた。
あるがまにあさんが居なかったら何度も挫けただろう。
有難うございました。
チャイナタウンに行き『レッド・ドラゴン・バックパッカーズ』でまた眠る。
僕はよく眠らないと、動けないのだ。
目覚めの1枚。
空港に早めに着いてお土産を選ぶ。
飲むサロンパス、といいたいサーシは炭酸のため機内持ち込み禁止。
ベンチでサーシを飲みおさめ。
マレーシアの伝統品バティック染めのハンカチを買った。
ハンカチは小さいが手染め。
売り子のおばちゃんが機械染めは裏が染まらないと教えてくれた。
でも、本当かな。
柄は影絵の人形。シャドウパペット。
あと、木彫りのカエル。背中の突起を擦るとゲコココと鳴き声が聞こえる。
23:45発の関空行きに乗り込む。
寝て起きたら、日本に着いてしまう。
窓の外は翼と夜空だけになった。
機内の映画にも飽きて、眠った。
20080422 シャドウパペット
夜。飛行機の翼は濃紺の夜空を背景に退屈な影絵を続ける。
それは気のせいかと思うほど淡い兆しだった。光。
濃紺に僅かに山吹色の光がさす。
朝日の訪れが退屈を打ち破っていく。
光は雲にテクスチュアを与え有象無象のシャドウパペットたちを立ち上げていく。
あれは龍に見える。
しかし朝日が顔を出すと龍たちはただの雲に戻り、雲海に溶けて行った。
マレーシア、さようなら。またいつか。





































































































































