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大学生の息子が、「ちょっと金を貸してほしいねんけど」と言ってきた。

「何に使うねん?」と問うと、「ultrabookを買いたいんや」とのこと。

「うるとらぶっく? 何やねん、それ? 大学生にもなってウルトラマンの本が欲しいんか?」と、テレビを見ていた夫が振り返って言った。息子は人を小馬鹿にした顔で、首を振る。「全然ちゃうわ。これだから昭和の人間は・・・」というと、息子は得々とultrabookなるものの説明を始めた。

ウチの息子は、身内から見ても時々、うんざりするほど理屈っぽく、いちいち小難しい言い回しを好む。まずは「ラップトップ 」など全く耳にもしたことのない用語を出されて、老夫婦は???となっていたら、「まったくこれやから年寄りは困る」と親を小ばかにした態度で来たので、「誰が年寄りやねん。話によっては貸してやろか思うたけど、今のひと言で却下や!」と夫婦で凄むと、謝りながら説明を続けた。

専門用語を使われてパソコンの話をされてもちんぷんかんぷんなのだが、結局のところ、ultrabookとは超薄型のラップトップ、つまりノートパソコンなのだという。今どき、そういうものを持って大学に通わないと、調べものもでけへんし、それによってレポートや論文も書けず、大学を4年で卒業でけへん可能性もある、ちょっとの経費を惜しんだばかりに、勤勉な息子のやる気も将来も台無しやで、どないすんねん、とのたまった。

全ての大学生がそんなものを持ち歩いているとは思えないし、最後はほとんど脅しとも受け取れたが、それでも本当に留年でもされたらかなわんし、毎月のアルバイトの収入から1万円ずつ返してくれると言うので、「まぁ、しゃあないな」ということになった。

翌日、息子は嬉々としてultrabookを引っ提げて帰って来た。夕食後のリビングルームで、私たち夫婦は初めてそれを見る。

「うわっ、薄っ! うわっ、軽っ!」

「何だか鉄板みたいやな」

これが、私たちの第一の感想だった。

「そうやろ。鞄に入れていてもな、入れてるの忘れてしまうほどなんや。友達なんか買い物に行く時も、山登りに行く時でさえ持ち歩いてるで」

「たしかにこんなに薄くて軽ければ、どこにでも連れて歩けるわ」と、夫も神妙に頷く。

「それだけやないで。今までのパソコンは、電源ボタンを押してから起動するまで結構時間かかってイライラしてたやろ。でも、これはあっという間に使えてまうんや。それに、一回充電すれば、5時間から8時間は軽く使える」

「へえっ、薄くて軽いうえに、そんなに素早くて働き者なんか。大したもんやな、ultrabookっちゅう奴は。誰かさんとは大違いや」

誰かさんって、誰のことやねん? なんでultrabookの話から、そういう雲行きになるんや? 最近、とみに目立ってきた三段腹に夫の視線を感じつつ、私は心の中で毒づく。

「そうやろ.。父さんもこの機会に買い替えたらええやん。昔から言うやろ、パソコンと何とかは新しい方がええ、って。今が替え時や」

「そうやな、ちょっと考えてみるか」

 あまりに薄くて軽くて有能なultrabookがきっかけで、熟年離婚するハメになったら洒落にならんわ、、、。私は食器もまだ洗っていないことを思い出し、いそいそと台所に向かった。