ドラマを観て
こんなに胸がギュウッとなったのは
いつ以来だろうか。
『アンメット〜ある脳外科医の日記〜』
絶賛の声しか聞こえてこない…と言っても大袈裟ではないくらい、本当に素晴らしいドラマでした。
いまだ最終回の余韻が残っており
完全にロス状態です。
とは言え、実は私、始まる前は全く興味がなく、初回もスルー。
海外の医療ドラマを見過ぎて病院ものはお腹いっぱい状態だったので、これは特にいいかな…と。
ところが、第一話が終わった後話題になってることを知り、どれどれ…と疑心暗鬼でTVerで観てみたのですが、、
まず、三瓶先生を見て、、、
あなたはだーれ?
と、???になってしまった私。笑
ホント申し訳ありませんが、今ならいろいろ検索して、話題の映画やドラマにたくさん出演している実力派の役者さんだと分かってはいるのですが、、
若葉竜也さん。
初見は、このモジャモジャ頭で髭面の、なんだかパッとしない俳優さん、知らんがな状態でした。
ちび玉三兄弟の1人と聞いて、そのワード、うっすら記憶にあるような、、
え?
『ごくせん』『GANTZ』『マイ★ボスマイ★ヒーロー』『勇者ヨシヒコ』、、
この作品に出てた?
全部観てますけどーー!?
全く記憶にない。。
自分のあまりの見る目のなさに愕然としましたが、今回はこの若葉竜也さんと、杉咲花さんの演技に、痺れまくりましたね。
この2人のやり取りは、何とも言えないセリフの間と、余計な演出のないドキュメンタリーのような質感が、胸の奥の何かに刺さってしまい、毎回涙腺を刺激してしまうという、通常のドラマでは味わえないような感覚になりました。
杉咲花さん、今までは、「好き」という感覚で観ることはなかったんですけど、すごい役者さんですね。
ちょっとしたセリフの言い回し、表情の変化、、
正直、子役の頃のイメージとか、『99,9刑事弁護士』のそれじゃない感とかで、私の中では、あまり興味の持てる役者さんではなかった。
今は、ホントにごめんなさいと、何度でも謝ります。
彼女じゃなかったら、このドラマは成立しなかったと言えるくらい、素晴らしい演技でした。
隠さなかったそばかすさえ、ナチュラルな演技と相まって、とてもチャーミング。
今クールのドラマ、記憶喪失ものが多かったそうですが(他の作品は観てないけど)、アンメットは、この記憶喪失という設定が嘘っぽくなかった。
後半、ミヤビちゃんの脳の病状の進行具合と、三瓶先生との2人の過去から今に至るまでの物語が度々リンクして、ハラハラとほっこりのそれぞれの状況が、上手い具合に表現されていたと思います。
特に、9話のラスト、2人の感動の長回しのシーン。
ミヤビちゃんの言葉で三瓶先生が涙する意味が、後で解る構成になっていたのがすごい。
そして最後の
「ごめんなさい、どなたでしょうか。」
のひと言にひっくり返りそうになった。。
これ、観ていた全ての人が愕然としたよね。
とにかく脚本も演出も上手いのよ。
三瓶先生がミヤビちゃんの手を握る仕草や、あの長いグミはそもそも…といった、最終回の伏線回収の諸々の場面もお見事。
あのロウソクの場面も秀逸だった。
結末も、そうあって欲しいというこちら側の想いを汲んでくれたものになってはいるけど、ドラマによくあるような安易なものにはせず、、
余韻、、
なんとも言えない、良質な余韻を持たせる描き方だったと思います。
最後もウルウルだったけど、私が一番グッと来たのは、2人でご飯を食べている時の三瓶先生の涙の場面でした。
もうね、いろんな描写が心の琴線に触れてしまって、こんな日本のドラマに出会ったことは久しくなかった気がする。
語彙力のない私にはこれ以上伝える術がない。
ネトフリ民の方は最初から観られるので、ぜひぜひ観てほしいです。
その後の2人の続編が観たいという声も多いようですが、、
私はこれで終わってもいいかな…と思ってしまう。
あまりにも良かったのでね。
続編が期待通りに行くかがちょっと怖い。
もう一度見返すことも今のところ出来ないくらい。
良質な余韻…を感じたままでいたいという気持ちが強いかな。
最終回を終えていろいろな感想が出ていますが、しばらくはそういった記事を読み漁りたいと思います。
監督のインタビュー
前編
後編
そして、
主題歌なんですが、最後に流れるあいみょんの曲が良い。
これはドラマのシーンも観られますが、昨日のことを覚えていられないミヤビちゃんが、まずは前日までの日記を読むところから始まります。
さらに、今まで全く存じ上げなかったこの方の、オープニングに流れる曲もとても良い。
ドラマの内容にピッタリ。
胸の奥鳴り止まない
ただこの縫い目、肌、枯れる
いいドラマだったなぁ。