”なんかだめだなと思った人は、大抵だめじゃないですか
めっちゃいいなと思った人も、大抵だめ
でも、なんかいいって思った人は、ずっとなんかいい。”
”かつて「二十代の人生の質は、出会った言葉で決まる」と書いてある本を手にしたことがある。思えば人生に低品質の高品質もない。いまや未来もへったくれもない。しかし私は当時若く、愚かで、傲慢だった。ならばと数万冊の本を読むことにした。”
Twitterに生息するいい女(風)アカウントの呟きが大好きなので、そんな呟きを集めたものではないかと期待した。Twitterにのみ生息する「男を手玉に取るいい女」に憧れ邁進している女はみんな、少し滑稽で稀に知的で可愛いくて楽しいから。
そこはかとなく感じるツイッタラー臭。ワクワク。とか思っていた。
こんなタイトルの本を出すような、万冊読んだ読書家は果たしてどんな面白いこと書くんだろうと思って期待でほっぺをツヤツヤにして読み始めたが、冒頭だけじゃなくて本の中部もきちんと試し読みすればよかったと後悔した。
もしくは初めに引用した文章の、”思えば〜傲慢だった” の部分の香ばしさ無視しないべきだった。5割はポエムだった。
これが18歳の書いた文なら良いと思う。
ははーん、さては椎名林檎でも聞いて影響を受けたな?ニヤニヤ、って処理できた。
「洒落臭い」「〜するのがよろしい」「縺れ」「マールボロ」「五月蝿い」
やたら漢字に変換したり、憧れの言い回ししちゃうよね〜(笑)って、そんな風に笑えたらいっそよかった。
ツイッタラーだったのは当たったが、実際は33歳の男性らしい。
え、痛(
「死」「セックス」「愛」「永遠」「タバコ」「ウイスキー」「セフレ」
十代・二十代そこそこがこれらにエモさを感じるのはわかる。
でも30超えてこんなにも執心してこの量のポエムかけるの、すごいな??
個人的、共感性羞恥で死にそうになったフレーズ8選置いときます。(順不同)
・ただし「私はここにいると叫び続けろ」。取り急ぎ、以上です。
・(煙草について)私の唇を四六時中塞いでくれる人がいないのが悪い。
・期待しない生き方がお悧巧であるとインターネットや其処彼処で叫ばれて久しい。
・これもまた1人の愛の奴隷による言葉の呪いなのでしょう。
・もう二度と会えないと言う猛毒の花束。
・期待しないで生きろと言われたら、喜んで舌を噛み切ります。
・ごめんね。甘党なの。
・引きちぎれるほど寂しい目にあった場所が本当の故郷になる。遊びに行く東京は、東京じゃねえよ。
うーんなんとも香ばしい。全てにおいて芸術点が高い。
これを新宿の小さなバーでウヰスキーストレート飲みながら思いついて、メモとかしてるんやろな。中盤の看護師さんの話はおそらく創作だろうと思う。きっと美人なんでしょう。ゾワゾワ。
” 完璧に丁寧語を操れる人の口から飛び出た、粗野な言葉がセクシーだ”って書いていて、それには同意するけど、作者はそれを狙いすぎ。
そしてどうしても気になって仕方なかったのは、なんだかネカマの気があるところ。
てっきり女性が書いてると途中まで思ってた程。
ポイントまとめました。
1. 大金を手にするには?の問いの解答一番が”玉の輿に乗る”だったこと。
”多くの滑稽な女の子が真っ先に思いつく発想です”とか続けるもんだから同性が書いてると疑わなかったわ。
2. ”リトル・ブラック・ドレスと小ぶりな鞄で出かけましょう”
3. "外見と内面の矛盾する。ビッチとバレてはビッチとしての商売が繁盛しません。"
4. 曲線だの水分率だのの話ではない、と女の生き様について語りだす
単に中世的な人なのか、もしくはジェンダー女性か、はたまたビジネスネカマか?
いろいろ考えていたけど、女性をほんのり馬鹿にしてる男性っぽい。
『女は大金稼ごうと思ったら玉の輿狙いますよね』ってフェミにぶちギレられるぞ。ビッチビッチって、そもそも「ヤリチン」で喩えたら良いところを何故「ビッチ」を選ぶのか。
謎のネカマ感も含め、自分を客観視できない故の自己プロディース下手というか、この人の一貫性のなさみたいなのが絶妙に気持ち悪かった。
やっぱり特筆すべきは文章。
逆に変換が手間であろう(笑)難しい漢字たくさん使ってお悧巧アピールするから、賢く見られたいんだなぁと共感性羞恥で恥ずかしくなった。黒歴史をほじくらないでぇ。
”頭が悪い人ほど賢いふりをする”。この本の引用。
”自分が選んだ選択とその結果を心から受け入れた時、かつてのその選択は判断時に遡及して正しい選択となる。”
これとか本当に何言いたいのかわからん。
私が馬鹿なだけなら別にいいんだけど。
「身も蓋もない」とか「洒脱」とか使い方あってる?って思ったり。
”英語のお勉強なんざ、暗記がお得意などなたかに任せて”
これも、英語苦手なのかなと思ったりした。
あとエロ大好きなの出ちゃってるのが嫌だったな〜。
"雨と事後、私たちだけのプレイリスト"とか、「賢く見られたい、知的さとセンスのギャップでエロいと思われたい、モテたい」みたいな欲求がみえみえで頭悪そうだな〜と思って失笑してしまった。村上春樹読み出した男子大学生みたい。
太宰がモテるのは、エロについて語らないイメージがあるからだろう。
少しのチャンスも失いたくないからと誰とでも寝ますアピールする男の、どこに魅力を感じろと。
大声で下ネタ言うやつの下ネタになんてなりたくない。
やった女メモとかとってそうな男はもてない。
美女に脚色されてポエムにされて本のネタにされそうだ。
YouTubeで嫌いなビデオにわざわざコメントを残す人について、
”今夜セックスするお相手が見つからない苛立ち、 はたまた何かそのアーティストが自分の恋人を平気で寝取りそうなルックスをしている気がするから、思わず悪評価してしまったんでしょうか。”ってところも、煽り風味なのを加味しても発想にドン引き。セックスかセックスが原因ですってなんやねん。
これは余談なんだけど、”嫉妬が正義のふりをして叩く”について。
この「嫉妬から叩いてる」って発想、男性特有だよなって目にする度にいつも思う。
特に女叩きをする女に対して。ちょっと可愛い女の子が叩かれると「女の嫉妬乙w」ってコメントよくついてるけど、個人的にはアンチの根底は「この人は分不相応な評価をされてる!みんなの目を覚さなきゃ!」って使命感だと思ってる。だから比較画像作ったりとか、昔の発言掘り返したりだとか、そういうモチベーションがなくならないんだと思う。だって使命に駆られてるから。
もしくは、全く理解できないけど、100%純度の悪意。
だから嫉妬で叩いてるって思ってる人は、全然本質わかってないなって思う。
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悪評ばっかりすごい熱量で書いてるみたいだけど、タメになったり面白かったり興味深かったり、楽しく読んだところもあったので、以下メモ↓!
”贅沢とは身の程を超えない上質なもの”
”人がめんどくさいと感じたものはお金になる”
”お金は情報格差が生む”
”人は救われたものにお金を払う”
”大人は年齢を重ねた子供”
”好きな人の前で意味不明なやつであれ”
”成し遂げたいことは根本変わらない”
”好きな相手に最高のトラウマを植え付けたい”
”本質的に向いてないこと、好きでもないことを突き詰めるほど人生は長くない”
”憧れる人が1人もいないところでじっとしていられるほど、人は己の人生を諦めることができない”
”面白いか面白くないか笑ってもらえるか笑ってもらえないか美しいかそうでないか
勝手を言う人様の基準ではない”
"義務感で買った服は着ない"
"余裕を失わないと決めている人"
”学歴は親の財産の反映値”
”悪口についての一見解”
"殺人と旅行"
”或るピエロの悲劇”
”響かなければそれは貴方が客ではない”
その何か自体に非がある事はよほどの場合を除いてない"
"ただ1人で生きているかのような顔をしていただきたい"
”人は自分から最も遠いものを愛するそう。そして愛した人から忘れられることが最も恐ろしいようです”
”欲望に忠実な時は楽しい”
”今目の前に流れてきたものが世界の全てではない
本当に良いものは簡単には流れてこない”
”嫌いな物は代案を用いて処理しろ”
”ご自身の欠落感に正直でなければならない”
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マジで読後メモ
自分もよく反省するのだが、おしゃべりって痛いよね。
無口な女になりたいな、とよく思う。
少しくらい秘密があった方が魅力的に映る理論と同じで、何を考えてるのか掴めないなと思われるくらい、自分語りは控えた方が良いと思う。
多分それくらいが他人の人生のモブにはちょうどいい。
一度フワちゃんの皮を被ると自己判断で脱ぐことは難しくなるから。
でも逆に、早口で口数の多い人は人より多く打席に立てるって言葉もある。
又吉が言ってたんだけど、自分無口なくせによく喋る人をそんな風に見てるなんて、ほんと可愛い人だなと思う。
他人の本熟読しといてしゃべり過ぎ、ナルシスト、自分に酔いすぎだ、なんて、なんという当たり屋的感想なんだと我ながら驚いちゃうけど、何を嫌だと感じたのか考えてしまう性格と、そもそも本を途中でやめることができない完璧主義と、アウトプット欲で、なんなら再読してまで感想を書いてしまう。なにしてんのかなほんと。
”なぜか歳上の男から一瞬で嫌われる私には有り難かった。”
いつも思うけどこの「なぜか嫌われる」って常套句、正確には「理由はなんとなく分かってるけど全く直す気ないからすっとぼけて分からない振りしてる」が9割だよね。犬とか子供とか純粋な生き物に嫌われる理由がわからん、については仕方ない。
音信不通になった友達の話。
人間関係バックれたことのある私的には、作者の圧が怖くて普通に逃げたんじゃ?と思った。性別超えて恋愛できそうな雰囲気が醸し出てたなら尚更。
笑顔が可愛いとか自分の努力じゃない部分を過大評価されて勝手に好いてきて、なんか勝手な理由で嫌ってきそうだし、ベタ褒めするやつは悪口も同じ熱量で言う。
ポロッと本名言ったら「教えてくれた」って解釈して喜んでるのめっちゃ怖いし、わかりやすく拒絶されてるのに家まで行くし、本名で検索かけるし、はっきり言って気持ち悪い。
真面目な人ならば、勝手にお揃いのもの(しかも花刻印の趣味選ぶデザイン)押し付けられても使わなければならないプレッシャーも感じるし、次会った時に使ってないのバレたら傷付けるかもしれないって悩むし、っていうか悩むくらいならいっそもう会いたくねーってなる。友人に感情移入してしまって、悪気なく追っかけてくる男の人の希望的観測怖いなって普通に思った。
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細分化していけばしていく程、勝ち負けはある。
林先生の本読みたくなった。