スパイダーマン: スパイダーバース
評価 ★★★★★
好感度 ★★★★★
日本版ポスター
海外版ポスター
予告
【あらすじ】
ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。(映画.comより)
色んな次元のスパイダーマンが集結するという原作でもかなりぶっ飛んだエピソード「スパイダーバース」がアニメーション作品としてついに映画化。アメリカ本国では高評価の嵐で映画賞も総なめにしているこの映画を幸運にもIMAX3D試写会に行く機会を得たのでいち早く見れた!というわけで一足お先に「スパイダーマン: スパイダーバース」のレビューです。
というわけでいきなり結論から言うと…
文句のつけどころがない傑作だった!!!!
色んなスパイダーマンが渾然一体と現れるというぶっ飛びエピソードを上手く2時間にまとめているというだけでも凄いんですけど、この作品そんな程度で済ませる気は全くない。色んな角度、色んな切り口から見ても尋常ならざるクオリティで、兎にも角にも面白い。おそらく老若男女、アメコミ好きorビギナーに関わらずどんな人にも楽しめる作品になってると思います。
しかも偉いのは、完成度の高いお利口さんの優等生になってもいいところを基本くだらないギャグが行き交うコメディとして作り、映像面など攻めるところはとことんまで攻めるという姿勢も好感が持てます
それもそのはず。今作の監督さんはボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマンの3人クレジットされていますが、ごめんね全然ピンとこない。ピーター・ラムジーさんは時折いい評判を聞く「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」という作品(まだ未見です…)を監督していますが、あとの二人はこれが初監督。しかし、脚本にフィル・ロード。プロデューサーとしてもフィル・ロード&クリス・ミラーの名前が!
「21ジャンプ・ストリート」「22ジャンプ・ストリート」の爆笑潜入捜査ものから大大大好きな作品「LEGO ムービー」などの監督フィル・ロード&クリス・ミラーの一派が作った作品。そりゃいいに決まってるわ。
この二人の作風はメタ、パロディ、風刺から心底くだらないギャグまでありとらゆるものを映画に詰め込む。その頭パンパンになるような情報過多な物語を圧倒的な脚本と演出力でとても見やすく整理して、最後には予想だにしなかった、でも同時にスッと腑に落ちるような着地を見せる。しかし、一番信頼おける部分は題材に対して真っ正面からとことん徹底的に向かい合う姿勢なんです。例えばLEGOを題材に映画を作れと無理難題を言われた時に逃げに走るのではなく、まず正面からLEGOとはなんなのか、その本質を掴むまでとことんまで考える。その確固たる基盤の上で作品を作っていくからその作品に感動する。
そういった点から若手の中では一番大好きで信頼を置いているコンビなのです。
物語の感想に入る前に映像面でいくつか。
まず絶対的に3D、そして出来ればIMAXを推奨。基本的に2次元のものであるアニメーションで、この作品は奥行きを効果的に使ったり、あえて平面感を強調したりするシーンが多いです。それを堪能するにはやっぱり3D。
そして、今回3Dをとても面白い使い方をしているのでそこも必見。手前に焦点を合わせて、それ以外はボカすフォーカスがアニメでは中々難しいのですが、それをそういう手があったかという形で表現してます。最初こそ戸惑いますが、慣れると作風にもピッタリ!
アニメで作る上で、実写では絶対にできないコミックをそのままトレースしたような表現も随所に見られます。しかしそのバランスがとても素晴らしい。スパイダーマンが危険を察知したり、超人的能力を発揮するスパイダーセンス。このスパイダーセンスが発動する瞬間だけ決め絵のようにコミック表現も発動する。それがなんともカッコよく、演出的にもしっかり意味を持っていて上手いな〜って思わされる。他にもアメコミのやたらと独白セリフが多いってのをギャグにした四角吹き出し描写なんかも最高です。
さらにこだわりすぎだろって点でいうと、よーく見たら肌とか物に点々みたいなものがたくさん見える。これ、昔のアメコミ雑誌の印刷が近づいてみると点々に見えたその質感を映画全体に再現している。凝りすぎだろ…。また色んな次元のスパイダーマンそれぞれのノワールの世界だったり、滲んだ水彩画のような世界だったり、日本のマンガっぽい世界だったりの表現も見事で映像をボーッと眺めるだけでも高密度でお腹いっぱいになっちゃいます。
今回の主人公はスパイダーマン=ピーター・パーカーではなく、マイルス・モラレスという黒人の青年。ピーターとは別のもう一人のスパイダーマン。彼は原作の方ではかなり認知され始めていて、昨年発売されたPS4のゲーム版「スパイダーマン」でもメインキャラとして登場したのでご存知の方も多いかも。今作ではこの少年がスパイダーマンになるまでのオリジンを描く。しかし一筋縄ではいかず、他の次元から4人のスパイディが現れるから話がどこに転がっていくのかさっぱり見当がつかない。
中年になって人生に生き疲れた様子のおっさんピーター・パーカー=スパイダーマン
ピーターの代わりにクモに噛まれ、代わりにスパイディをやってる世界線のグウェン・ステイシー=スパイダーグウェン
1933年のハードボイルドでモノクロの世界で私立探偵をやっているスパイダーノワール
未来からやってきてクモに噛まれたおかげでメカスーツとシンクロするようになったペニー・パーカー
みんなが二頭身の昔ながらのアメリカン・カートゥーンの世界からやってきた豚さんスパイダーハム
この生きる次元も違えば、その作風も絵柄もルールさえも全く違うスパイディたちが一挙集結する。まだピーターやグウェンは実世界よりだからいいけど、ノワールは白黒だし、ペニー・パーカーは日本のマンガっぽい絵柄、スパイダーハムに関しては二頭身のブタだぜ?こいつらが同じ世界で会話したり、アクションシーンでは各々の戦い方でヴィランたちをやっつけるから控えめに言ってもカオスなことになっている。
しかし映画として見ずらいかと言われると全く別問題。
短い時間で各スパイディの特徴や個性、抱える葛藤などを描き出す手腕は流石ですけど、この4人のスパイディと見習いたちの姿を通していくと“スパイダーマン論”のようなものが浮かび上がってくる。
スパイダーマンはなぜ戦うのかを徹底的に考えると、スパイダーマンの本質は“喪失”の物語であるということがわかる。彼らの動機は自分が救えた命を救えなかったという後悔に端を発している。スパイダーマンの中心に据えられた有名な言葉で『大いなる力には、大いなる責任が伴う』というのがあります。ヒーローの美徳のようにも捉えられがちだが、それを課せられた本人たちにとっては呪いでもある。スパイダーマンたちは常にその責任を背負って生きていくのだ。
マイルスはスパイダーマンが抱える重責と直面する。それでもスパイダーマンのマスクを被るのか。
一方で中年ピーター・パーカーはマイルスと師弟に近い関係になっていくがこのキャラクターがなんとも味わい深い。これからヒーローになろうとしている少年の第一話の反対に、このピーターの姿はヒーロー生活を続けた人間の成れの果てだ。MJとは離婚し、メイおばさんは死に、それでもスパイダーマンとして街の平和は守らなきゃいけない。このピーター・パーカーが直接は示されないが3で打ち切りになってしまったサム・ライミ監督版「スパイダーマン」のピーター・パーカーのその後ともとれる描かれ方になっているのがドンピシャ世代としてはさらに胸を締め付けます。
このピーターにとっては後進のスパイダーマンを育てることに喜びを見出しながらも、この修羅の道に引き込んでいいものかと迷いもある。
他のスパイディたちにもそれぞれの葛藤がある。しかし孤独な戦いを強いられてきた彼らが無茶な展開の中で巡り会い、次第に共鳴し始める。作り手たちの「せめてこのぶっ飛んだ世界=映画の中だけでも、スパイディたちの孤独を和らげてあげたい」という愛と優しさが垣間見えるようでその交流も涙なしでは見られない。
そしてマイルスは決断を下すのか。この決断はただ「ヒーローになるか否か」というだけでなく、「偉大なるスパイダーマンたちの歴史の上に自分は立てるのか?その資格はあるのか?」という問いでもある。これは別にマイルスだけのものではなく、この映画を見た俺たち、他のヒーロー映画でもいいし、全然違うジャンルや媒体のものでもいい。それに感銘を受けて、憧れて、ああなりたいと思った人たち全てに行動を起こせるのか?一歩を踏み出せるのか?という問いでもある。
だからこそ、マイルスの苦悩は自分のことのように刺さるし、決断の先にある景色はなんとも素晴らしい!
作品全体を通して、あらゆる面で高密度で驚異の完成度。
でありながら、くだらないギャグが飛び交い、超楽しいアクションシーンもあって、老若男女、アメコミファンもビギナーも楽しめる一本になってました。そしてこれまでのスパイダーマンの歴史に愛と尊敬を持って作っている、スパイダーマンについての映画であり、スパイダーマンの物語にしっかりなっている。文句のつけどころがない!!!!!
スパイダーマン: スパイダーバース
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