○浴室

 ユニットバスも検討したが、パイフシャフトの関係でサイズが合わず製作した。どうせなら温泉気分を味わおうと、壁に檜板を貼った。4年経過した今でも檜の香りが残っており、癒しの空間になっている。味気ないユニットバスにしないで良かった。

○トイレ

 年をとるとトイレに行く回数も増す。そこで殺風景になるのを避けると共に、清潔に保てる素材として床から天井までの大きな色ガラスを壁に使った。清掃が楽で、臭いが吸着しないからだ。

癒しのスペースと思い、アロマセラピーも採用した。

 玄関は外の社会から、家庭という個の領域に入る最初の空間であり、家の顔でもある。

一戸建て住宅では、道路(社会)→アプローチ→ポーチ→玄関と段階的に内部に入るが、共同住宅では緩衝空間がなく、いきなり社会から個の空間に変わる。そのため玄関の扱いに気をつかった。

 玄関は広く欲しいが、使える面積は限られる。そこで玄関をギャラリースペースとして使い、家の顔にしようと考えた。これは、他の部屋の壁面をほとんど収納に使ったため、手持ちの書画を掛ける場所がなくなったためでもあった。

○ 床 

 踏込み部分と玄関ホールの床を同一にし、コート・下足はクローゼットに収納して下駄箱等を排除してスッキリさせた。

 

○ 鏡

 姿見の鏡を部屋のコーナー部分に設置して、壁が連続しているように見せ、ここが四角い閉じた箱に見えないようにした。

 寝室は唯一以前と同じ位置になったが、面積が約25%縮小した。配置はほとんど変えようがなく、同じにしたが、収納部分は拡大した。特に西側の収納は、昔のセントラルヒーティング用のダクトが残っていたため、かなりの面積を取られていたが、撤去したので面積も広がり使いやすくなった。

○ベッド

 ベッドはセミダブルを2台使っていたのだが、ベッドメイクが楽なようにシングルに変えた。しかし、14才になった老犬の36㎏のラブラドールが最近甘えて早朝にベッドに乗ってくるようになり、毎朝犬と陣取り合戦をしている。後1〜2年の命だと思うと蹴落とすわけにもいかず、悩んでいる。

 家具は旧宅で使っていた、箪笥・ドレッサーと私がデザインした椅子・ベッドサイドテーブルに限定してシンプルな空間にした。建具・造作材は米松柾目を使った。経年変化による。杢目の風合いの変化を楽しむためだ。