お父さんのための完治マニュアル|はじめに
ispoon 私の前立腺がん治療体験
医師に「がん」と告げられた時のことをご記憶だろうか、
私の場合、診察室に入るとすぐ、身構える時間も与えられず「検査の結果、がんが見つかりました」と言われました。”癌の告知はそれほど特別なものではない”と思わせる配慮かもしれないが、先生もなかなかの”つわもの”です。
先生はカルテが表示されたディスプレイを見ながら、矢継ぎ早に話を続けます。私はといえばMRIの結果から予想はしていたので、告知されたこと自体にそう衝撃は受けませんでした。しかし予想外だったのは癌の悪性度が高かったこと。
勧められたのは摘出手術:医師の説明では、私の癌は高悪性度のため”放射線治療は適用できない”とされ、勧められたのは摘出手術だけでした。それも拡大全摘出+拡大リンパ節廓清という最大限の範囲を摘出するもので勃起神経温存もできないとされました。最後に「手術で根治できる可能性はどれくらいですか」と尋ねましたが、はっきりとした答えは返ってきませんでした。
PSAが基準値を少し超えただけ:基準値を超え”すぐに検査した”のに、どうして「根治が難しい」という話になるのか、しかも適用できる治療法は1つだけで、手術により男として大切な神経も切除されるなど多くを失ってしまう。これでは、たとえ治ってもちっとも嬉しくありません。そこでしばらく考えさせてくださいとして治療の回答を保留しました。
完治するにはどうしたらよいのか
私の場合、検査に時間がかかり癌の疑いから告知まで3か月以上の時間がありました。その間、治療法について懸命に調べましたが、それでも自信を持って「これ」という治療法を1つに絞ることはできませんでした。
治療法を正しく評価するのは困難
考えてみれば、絵画に関心のない方が絵の価値を判断できないように、全く新しいことに対して、それを評価するというのはもともと無理なことですから、これまで癌に無縁であった方が、短期間で治療法を正しく評価するのはかなり難しいはずです。
それでもインターネット上には医療機関や製薬会社から多くの情報がありますから、知識を得ることができそうですが、多くの医療機関では治療の概要が書いてあるだけですから、実際にその病院がどれくらいの実力を持っているのかまでは、なかなかわかりません。
一部の医療機関では、治療法の詳細と根治性(PSA非再発率)に関することを掲載していますが、その公表されたPSA非再発率を他院と比較したとしても、各医療機関ごとの患者背景(ホルモン療法の期間、実施の有無など)が違うため、単純に数値で比較ができるわけではないのです。
結局のところ、癌と告げられて辛い精神状況の中で、ネット上のどれが有益な情報なのかを見極めるのはたいへんなことです。
実は私も、自分の受けた治療法の詳細を理解したのは、治療が終わるころだったように思います。おそらく皆様も、治療が終わるころになれば治療にかなり詳しくなっていると思いますが、治療後に詳しくなったのでは、時すでに遅し・・・。
さて、患者を10年もやっていると、同時期に治療を受けた方からの情報などを含め、いつもまにか知恵もついてきます。癌の可能性を指摘された、もしくは癌の告知を受け、これからどうすべきか悩まれていると思いますが、”根治するにはどうすれば良いのか”、自分が決めた治療法にどうやったら進めるかについて書いてゆきます。ここでは私と同じ小線源治療を希望すると仮定して書いていますが、その他の治療法を選ぶ場合にも参考になると思います。
私の場合は医師の提案を断って
”摘出手術はしない”と決めた:ネット検索やシンポジウムの参加などでいろいろ考えた結果、まず”摘出手術はしない”と決めました。医師の意見に逆らってまで別の治療法を選んで大丈夫なのかという気持ちは当然ありましたから、手術療法についても詳しく調べた上での決断です。
その後、転院した別の病院の病理医によって「超高リスク」と再評価されてしまい、もうダメかと思いましたが、最終的には外照射併用”小線源治療”+ホルモン併用10か月(LDRトリモダリティ)を受けました。
提案を断ったあと確か数か月後、たまたまその担当医と病院の廊下ですれ違った時です。先生は私のことを覚えていてくれたようで、少し立ち話をしました。この時「私は、いまでも私の治療(摘出)が一番良いと思っています」と言われました。意見にブレがありません、やはりこの先生は”ただものではない”と思いました。
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それから約10年経過して今がありますが、癌ですから治療後も経過観察として定期的に病院に通っています、PSAは上下に変動しながらも、現在は低い値で減少が続いている状態で再発の兆候は全くありません。