PRIMAL isogawaの音楽談話室


音楽業界に激震が走った。

無数に存在するミュージシャンやバンドの一つが無くなっただけと思う方もいるだろう。

だがホワイトストライプスが00年代以降に与えた影響の大きさと比較出来る存在はそういない。

ホワイトストライプスは00年代以降の最重要バンドの一つと言っても過言は無いだろう。

そのホワイトストライプスが終焉を迎えた。

元々の関係を考えればいずれ壊れるのは想像がつく。そして精神状態に不安を抱えるメグ。
この出来事は突然の事では無く来るべくして来た、言わば必然なのかもしれない。
だがホワイトストライプスの最後を上手く受け入れる事が出来ない自分がいる。

ホワイトストライプスとは何だろう・・・

私とってはロック創世記を知る様な世代に00年代の良いバンドを聞かれたら迷わず名前を言えるバンドだった。

言わば現代のロックの象徴。ビートルズやストーンズレッド・ツェッペリンetcがそうであるように00年代の象徴はホワイトストライプスだ。そして現ロックシーンの救世主でもある。

様々なアーティストが誕生した90年代。現在でも活躍しシーンの中心を担ってる世代だが逆を言えば巨大化し過ぎてしまった。その中でホワイトストライプスとストロークス等の鳴らす音はシーンの流れを一気に変えた。異常とも言える程類似した音楽が溢れた。だがそれだけの影響力と革新性が彼等には存在した。お金が無くてもロックンロールは出来るという事を証明した。


ジャックはホワイトストライプスと平行しいくつかのバンドをスタートさせている。それなりの評価も得ている。が私には正直物足りない。たった二人で全ての視線を受け止めサポートはあれど最小の音数で鳴らす二人にはミスは出来ない。その緊張感の中で鳴らす音を聴いてしまえば他で鳴らす自由の音は少々軽くなってしまう。
あの緊張感はホワイトストライプスでしか聴けないのだ。

メグに関してはもしかしたらきちんとした形での音は聴けないかもしれない・・・

作品を一週間くらいで作り上げてきたのも二人での時間を最小限に抑える事により互いの精神負担を減らし、ホワイトストライプスでいる為に必要と二人での取り決めだったのかもしれない・・・


私はホワイトストライプスとして再始動は無いと思う。でもホワイトストライプスは後世へ受け継がれ聴かれつづける。
オアシスもいなくなりホワイトストライプスまでもいなくなった。


ロックンロールは何処までも儚い。
剃り減らしながらしか生きて行けないのだから。
だから魅了され続けるのだろう。

ロックンロールは罪深い・・・




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2010 年間ランキング



① My Beautiful Dark Twisted Fantasy/Kanye West

② Come Around sundown/Kings of Leon

③ The Suburbs/Arcade Fire

④ Recovery/Eminem

⑤ A Thousand Suns/Linkin Park

⑥ Plastic Beach/Gorillaz

⑦ GO/Jonsi

⑧ Transferens/Spoon

⑨ Cosmogramma/Flying Lotus

⑩ Thank Me Later/Drake

※以下

◎ Infinite Arms/Band Of Horses

◎ Contra/Vampire Weekend

◎ Acolyte/Delphic

◎ Halcyon Digest/Deerhunter

◎ 時空の彼方へ~Fuither~/Chemical Brothers


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~総評~



2010年は音楽史において新しい十年の始まり。

新しい十年の始まりとして素晴らしい作品が発表された。
しかしこれからの十年を示す作品が多かったかと言えばそうではない。

むしろ保守派が自己ベストを更新したという印象だ。

その中でこれからのヒップホップだけではなく音楽界全体の歴史に名を刻んだ究極の傑作を発表したのが①カニエだ。
彼の全ての作品のどれとも違う新しいカニエを見せつけた。
この作品は業界のハードルを一気に上げたと言っていい。そしてこれからの基準となる作品だ。
正直この作品をリアルタイムで体験出来る事を誇りに思う。

そして時代の流れから見事に逆走してロックンロールを叩きつけた②キングス・オブ・レオン。
ただ逆走と言っても時代遅れとは違う。ストレートに聴こえながらどこかセンスを感じさせるモダンなロックンロールだ。
曲も良く演奏も良い、おまけに顔も良いのに日本ではあまり盛り上がって来ない不思議なバンド。やはり「王道」は日本では受けないのか・・・

③アーケードファイアは現在の音楽シーンのど真ん中を独走状態となる作品を発表。他のバンドとは近からず遠からずをキープし良作を出し続けるのはさすが。
④エミネムはこれが本当の復活であった。個人的には前作も結構好きだったのだけど今作を聴いてしまうと前作がリハビリだったという発言に納得してしまう。⑤リンキンパークは昨年一番の驚きだった。まったくの別バンドになってしまった様な変化。チェスターの声が無ければわからないくらい。これが正解かはわからない。だがこれを出せた事によりリンキンは無限の選択項を手に入れた。次回作が全く予想できないがもっとも楽しみなバンドになった。

⑥~⑩もかなり聴きこんだ良作達。次回も期待出来る。
そして以下に並んだ作品ではデルフィックのデビュー作はかなり聴き込みドレイクと共に新人王だ。
ケミカルは横綱相撲的作品でとても好きだけど前二作の変化はどこへ?と思ってしまう。でも好き。
後の三組は今一歩パンチに欠けるというかオリジナルを貫いているが際立った主張が受け取れなかった。

今年の音楽シーンはどう動くか。
恐らくストロークスとレディオヘッドの作品がなんらかを見せてくれる事でしょう。
個人的にはデジタリズム、ビョーク、コールドプレイ、フリートフォクシーズ当たりの新作を期待しています。

今年もドップリ音楽ライフを送りたいと思います。

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2011年 1月14日(金)
新木場ageHaにて『デジタリズム DJ』に参加してきた。

ライブではなくDJイベントに参加するのは久しぶりの事だ。

参加を決めた理由は数ヵ月前に発表した新曲「BLITZ」が素晴らしかったのと近々発表されるニューアルバムの方向性が見えるはずと考えたからだ。

最初からバキバキのエレクトロサウンドでフロアを盛り上げる。

自分達の曲をメインにしつつも同じ系譜のダフトパンクやジャスティスよりもロック色のある彼等だけに繋ぎに使う楽曲がブラーやフランツ・フェルディナンドと楽しませてくれる。

またドイツ出身だから?かYMOのライディーンをかけた時は驚いた。

ライディーンの盛り上がりもすさまじかったがダフトパンクの新曲「ディレズド」トロン:レガシーのこの曲の使い方アレンジが秀逸で大いに沸かせた。

ただ「ディレズド」自体が未完の大曲と言える状態なのでダフトパンクによる進化やリミックスを聴きたい。

少々ズレたがデジタリズムの力を体感する一時となった。

「POGO」などヒットソングのパワーは凄まじくラストを飾った「BLITZ」もまだ浸透しきってない感はあったものの他の楽曲にも劣らぬ存在感を叩き付けた。

正直新作の方向性は掴みきれなかったがきっとバキバキのエレクトロでしょう(笑)

新作が今から楽しみでしかたない。
そしてライブで体感したい。DJセットでこれ程のパワーなのにもしライブだとしたら・・・


エレクトロサウンドが今年の顔になるかもしれない。