先日、「自己愛ってなに?」という質問を受けました。

自己愛とは自分を大切にすることで、人間が生きていくには必要なことです。

しかし、最近は自己愛のバランスが悪い人が増えています。
では、バランスが悪いとはどういうことか?

自分を大切にするというのはごく当たり前のことですが、これを自分を大切=(イコール)自分は特別な人間と思っている。
自分を大切にすると自分は特別な人間は全く違うものです。

称賛されることは好きだが、批判されることは許せない。
心の中には過剰といえる自信、そして劣等感が共存しています。
肥大した自己愛の中、自分に極端すぎるほど酔いしれたり、その反面で貧弱な自己愛ゆえに突然、意味もなく悲しさが押し寄せたり。

『自己愛』自分を大切にする心は、養育環境に大きな影響を受けます。
親から十分に愛されなかったり、親を失望したりするような環境だと、自己愛の発達は損なわれます。

「親は無くとも子は育つ」と言いますが、昔の日本では大家族の中でおじいちゃん、おばあちゃんが、また近所の大人たちが親の役割を担っている部分がありました。
しかし、現代は核家族化ではその役割を担ってくれる存在はありません。

このような社会環境も自己愛の発達には大きく影響する要因のひとつと言えます。

未成熟な自己愛、パーソナリティ的なものは、持って生まれたもの性格的なもので治らないようなイメージを持たれがちですが、逆に『自己愛』が養育環境の中、人とのふれあいの中で育まれるものなら、子供の頃にできなかった、やらなかった勉強や遊びをもう一度始めるように、できなかった体験をいま体験して自己愛をもう一度育んでいけばいいのです。