穴におちた。

ぬけだせない。
手も足もうごかせなくて
もがいても少しずつ落ちていくだけ

ひかりはもうだいぶ遠い。

動くのをやめても
上を行く自動車や
横を走る地下鉄に揺らされて
みじめに落ちていく。

酸素もだいぶ薄くなって
呼吸を抑えたって
顔だけ出した隣人がその分多めに吸うだけ。
酸素に名前を書いておくの忘れたから
お礼も言われない。


ぬけだせない。

そうわかったら目指すのは
ぬけだすことじゃなくて
ここで出来るだけ楽しむ方法なのかな。
それが賢い選択で、
人生を謳歌することなんだ、と
言う奴が居るから俺は死にたいって呟く。


一度諦めたらあとは何しようが全部同じだ。
全て投げ出してしまいたいや。
やいやいや。

欲しいものはいつだって足りない。
そんなのは当たり前で
そんな中でみんな生きてるんだよって
わざわざ言いたくもなくて
言ったところでどうせ君は聞かなくて。

不幸だけ見えるように地面に叩きつけて
それは大きな音で破裂するから
不快感を周りにばらまいてる。
中身はただの不満だったね。
でもそれで皆が不幸になって
君は満足する。

死にたいって呟く君を
必死に宥めるのは
死んでほしくないわけじゃなくて
それが努力じゃないから。

もっと苦しんでからだよ。


君がラッキーじゃないから
俺は神様を信じたりする。

あの子が不運に見舞われたりすると
やっぱり神様なんていないって思ったりする。


君を嫌いな人がいるから
人を信用したりする

あの子を傷付ける人がいるから
人に幻滅したりする


別に頑張る必要なんて
誰にもないから
そう考えたら必要なものなんて
どこにもないから

このボールは宇宙に捨てられたんだってさ。

綺麗なものを探してる。
間違ってるのは俺の方だったのかな。
内戦中のあの国と
戦争をしないこの国じゃ
どっちの希望が多いかな。

この国だって言うのなら
何を目指して戦うのか
あの国だって言うのなら
何を目指した平和なのか


銃弾飛び交うあの国と
核を持たないこの国じゃ
怯える人はどっちが多いの

あの国だって言うのなら
その先を信じているのかな
その先がこの国なら
それでも信じていられるかな


僕は誰より僕を知ってる。
僕の役立たずさ加減ときたら。

君に僕は必要ないとも
ひっそり、しっかりわかっているんだ。

僕の為に時間を使わないで
君の幸せの順路を守って。

ちゃんと君を守って。

裕福じゃない心の持ち主達が
一心不乱に壊し続ける評判の悪い世界にも
綺麗な季節は流れているから
どうかそれを見失わないで。
汚いのは一部だけ。

見上げたり、しゃがんだり
目を瞑って匂いを嗅いだり
耳をすまして踊ったり。

しっかり見定めて、熟慮して
信じる事も疑う事も忘れないで
時々は許して。他人も自分も。
流されないで、でも
痛くなるまで逆らわないで。
好きなものは大切に
だけどあまり増やさないで。
しっかり悔やんで
繰り返さないで
悲観して準備して
楽観して挑んで

ただし、答えはないからね。



くれぐれも怪我のないように
事故には気を付けて
雨で滑らないで
末永く、どうか無事で。