現実 | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

初めて訪れたウインターランド。

空港に出迎えてくれたアンディは、
くしゃくしゃの笑顔で
わたしを抱きしめた。

たった三週間逢わない間に、
彼はすっかり変わっていた。

まるでつきものが落ちたように
穏やかな顔。

ここでの生活がうまくいってることを
物語っていた。



空港から彼の暮らす家まで、
車はひたすら高速道路を走り続ける。

それまでは海に囲まれた
島暮らしだったのが、
突然、緑だらけの広大な大陸へ。

もうどこを見ても、パームツリーはない。

代わりにあるのは、
日本でも見慣れている松の木。

色鮮やかなココナッツ島に比べて
まだ寒さの残るウインターランドは、
さびしい場所に思えた。



新しい土地での暮らしが始まった。

住まいはアンディの義兄と三人で
3LDKのタウンハウスをシェア。

義兄はアンディの姉との婚姻生活に
終止符を打ったばかりだった。

アンディは実の姉ではなく、
幼少の頃から慕って来た義兄の味方に
ついた。

義兄の計らいで、アンディは
義兄と同じ不動産屋のオフィスで
セールスマンとして働き始めていた。

仕事をしている彼の目は輝いて、
生き生きとしていた。



観光ビザで入国したわたしには
この国で出来ることは限られていた。

朝、ふたりを仕事へ送り出してからは、
台所の片付けと部屋の掃除。

それが終わったら、全てが自由時間。

テレビをつけても、興味をもてそうな
番組はなかった。

交通手段はバスか車。

でもペーパードライバーのわたしには、
左ハンドル、右車線のこの国では
運転は無理。

バスは本数も少なく、
路線が複雑すぎて、
乗りこなせそうになかった。

運が良かったのは、
たまたま住んでる家の徒歩圏内に
ショッピングセンターと
スーパーマーケットがあったこと。

一日おきぐらいにそこへ通って
時間をつぶした。

あとは夕飯を作って、義兄とアンディの
帰りを待つだけ。

最初の頃は、苦にならなかった
のんびりした生活。

けれど、日がたつにつれ、
次第に疑問を持ち始めるようになった。

(続く)



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