勘違い男 | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

<「元カレからの卒業」の続きです。>

肝心のブル子ちゃんの姿は
見当たらなかった。

いい曲が連続してかかり、
踊りたくて身体がうずうずしていた。

背の低い男性にダンスを申し込まれた。

一瞬断ろうかと思ったけれど、

「踊るだけなら」

と考え直した。

ひとりで踊るのも、誰かと一緒に踊るのも
大差ない。

すると踊り始めてから三人目の男に、

「ドリンクでもどう?」

と誘われた。

断ったのに、なかなかあきらめてくれない。

飲み物をごちそうになるぐらい、
まぁいいか。


それにココナッツ島に住んでる人なら、
何か得になることがあるかもしれない。

こんな計算高い柔軟な考え方が
出来るようになったなんて大進歩。

前回の3ヶ月間の語学留学のときとは、
大違い。

ケインと初めて会ったときは、
名前を教えたくなくて
大げんかになったことを思うと、
ずいぶんと成長したもんだ。

その三人目とテーブルに着いた。

彼はチャイニーズ系の不動産屋。

アンディといい、この三人目といい、
不動産屋との縁が続いていた。

でもこのチャイナ不動産は
全くわたしのタイプではない。

「散歩でもしない?」

   え

ドリンク一杯はいいけど、
ちょっとそこまでは。


「今度はチャイニーズレストランへ
連れて行ってあげるよ」

   はぁ?

どうやったらそんなに展開になるのぉ?

ひとりで勝手に話を進める
チャイナ不動産。

苦笑いでごまかすわたし。

彼から名刺を渡された。

「いつでもいいから連絡して。
明日は何してるの?」

「明日はすでに予定が入ってるの」

明日も、あさっても、それから先も
ずーーーっと予定はびっしりなのビックリマーク


丁重に断ったにもかかわらず、
アパートまで送ると言い張る。

仕方ない。

ゲートのところまで送ってもらったら、
そこで帰ってもらうことにしよう。

歩いている途中で寒気がして、
さらにのどが痛いことに気がついた。

「なんだか風邪をひいたみたい」

そう言ったら、肩に手がまわってきた。

なんでそうなるわけ

これがアンディだったらよかったのに。しょぼん

世の中うまくいかない。

でもココナッツ島には
まだまだ出逢いがころがっているようだ。

クリスマスイブまであと3日。



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