ある日、児玉さんがニコニコしながら帰ってきました。
「これ、いくらに見える?
」と言いながら、
手にした大きな紙袋を開け、
中からショールの様なものを出して、私に見せました。
パシュミナが流行り始めた頃のことですが、
どう見ても本物のパシュミナではありませんし、
色や柄も地味でセンスも悪く、パッと見た感じ、
地元の商店街にあるオバチャン御用達の洋品店で、
1,000円ぐらいで売っていそうな代物です。
でも、もしかしたら実はとても高価な物なのか、
反対に、ものすご~く安く(100円とかで)買えたのか、
児玉さんが嬉しそうに「いくらに見える?」と言っている真意が分からず、
私は「さぁ・・・
」と、言葉を濁しました。
すると児玉さんは自慢げに、「これ、2,000円なんだよ~
」と言いました。
ビミョーな金額です![]()
しかも紙袋の中には大量に入っています。
(後で聞いたら10枚でした)
まさか、これをアイランドで売る気・・・?![]()
そこへ、食事休憩に出かけていた春日さんが帰って来ました。
児「あ~、ちょうどいいところに帰って来た。これ、いくらに見える?
」
春「え~?1,000円ぐらいかしら」
私と違って遠慮しない春日さんは、ショールを少し触って即答しました。
児「え・・・・1,000円・・・?
」
児玉さんは絵に描いたように落胆しました。
春「おいくらなんですか?」
児「2,000円・・・」
春「え~
2,000円は高いですよ
ねぇ、横山さん」
横「そうですね・・・
」
春「しかもこんな趣味の悪い柄、どうしたんですか?
」
児「実は・・・・・
」
児玉さんの話によると、中国で雑貨屋さんを営んでいるという女性から、
「今、中国ですごく流行っている高級なショールで、
日本だったら5,000円はする」
と言われ、2,000円で10枚も買ってきてしまったのです![]()
売値が2,000円でも高いと思ったのに、
実はこの2,000円と言うのは仕入れ値で、
これを、アイランドで5,000円で売るつもりだったそうです。
春「え~?こんな物に5,000円も出す人いませんよ。
今すぐ返していらっしゃいな
」
児「いや、もう中国に帰っちゃうから無理だよ・・・
」
春「こんな物・・・趣味も悪いし素材も悪いし、
私なら1,000円でも買いません
」
児「そっかぁ・・・・・失敗したなぁ・・・・・
」
春「10枚も買ってきちゃって、どうするんですか?」
児「売れないなら、春日さんと横山さんにあげるよ」
春「タダでも要りません
」
児「横山さんは・・・?」
横「私も要りません。地味でオバサンくさいし・・・」
今思うと、1枚ぐらい売れたかもしれないし、
ダメ元でネットに載せるだけ載せてもよかったのですが、
結局児玉さんはこのショールを自宅に持って帰り、
ご近所のお年寄りにプレゼントしたそうです。
20,000円の無駄遣いです。