湿式工法とは!?
モルタルやコンクリート、土壁、石膏、漆喰など現場で水を使い、乾燥させたり化学変化、漆喰では二酸化炭素と結合して固まる「再石灰化」という反応を利用して硬化させたりして仕上げる工法。
左官職人の手で仕上げていくために同じものは二つとできない、職人技が生きる。
デザイン性や、メンテナンスも「交換」ではなく「部分補修」が主になるので長期視点で考えるとだいぶ経済性に優れる。
しかし水を使わない乾式工法に比べ、乾燥させるための時間がかかり、気候によって工期が左右されるさらに職人の手作業のため手間代と料金がかかることと職人の技術比重が高いため、職人の技術力によって品質に差が生じる。そのため初期コストは割高で嫌煙する建築業者も多い。
さらに戦後の日本の家づくりは約420万戸の住宅需要があったため、時間がかかり、職人によって施工品質が変わり高コストの「湿式工法」は減少していきました。
それに伴い湿式工法の担い手である左官職人も1975年には左官従事者は約30万人しかし、2010年には約9万人と1/3になってしまいました。
そうなると湿式工法の「知識」や「技術」も自然と失われていきました。
最近は左官屋さんや建築のプロの方が自然素材に、差別化や健康面から着目され、少しづつ増えてきてはいます。
しかし、建築業者や左官屋さんでは、この戦後の70年で空白になった伝統建築、伝統建材についてあまり理解している方も少なくなってしまいました。よく工務店さんに自然素材を提案すると「良いのはわかる。。。(でもコストが、予算が)」という方がたくさんいます。
こういう発言は伝統建築側からすると、素人です。
素材の良さは当たり前に使い、使いこなして、やり続けてようやく理解できるもの。木の反り方や油の性質は土や山や気候に左右されます。
「良いのはわかる」でも自然素材住宅を建てていない建築業者は「良いのはわかっていない」「提案力がない」「良い家の基準が長く、快適、持続的ではない基準を持っている」になると思います。
「良いのはわかる(わからない)」という考え方が湿式工法から乾式工法へシフトさせたと言えます
人や自然<経済を優先する考え方こそが住宅業界をクレーム産業、そして住宅後進国日本へさせたと言えます。