こないだ2羽のカラスに虐められている1羽のカラスを見た。虐められているという表現は的確でなく、殺しにかかられていたと言うのが正しいかもしれない。そんな光景は初めて見たのでショックだった。




調べてみるとカラスは弱った仲間を虐める習性があるらしい。更にカラスはカラスの死体から遠ざかりたい鳥、つまりは死生観を持っている鳥で、死の近くにいる弱った仲間を忌み嫌い攻撃しているということらしいのだ。私が見たカラスは辛うじて息をしているだけの状態になるまで攻撃を受け仰向けに倒れていた。私はとても怖かった。




何が怖いってこの思考回路だ。こうこうこういう理由で攻撃をしているというのがしっかり伝わってくる所が怖いのである。できれば突発的なよくわからない行動であって欲しかった。




もし突然変異的に人間を怖がらないカラスが1羽生まれたら。弱っている人間、死から近い人間を攻撃するカラスが現れたら。あ、イケるやん、とその習性が全鳥類に伝播したら。怖い。そんなのもうむちゃくちゃヒッチコックである。ヒッチのコックだ。その日からカラスを見る目が変わってしまった。




正にその光景を見た日の夜、ブギーパンツのメンバーと久しぶりに会い、練習し話した。するとギターボーカルの水嶋がこんな話しをしだした。




『ちょっと聞いてくれ、こないだ会社の前にいたら突然後ろから頭をなんかに叩かれてよ、倒れ込んでしもて、振り向いてもなんもいなくて、ちょっと離れたとこにいた同僚がビビった顔してこっち見てるから聞いたら、カラスでした!って、俺いきなりカラスに襲われてん、めっちゃ怖かったわ』




【もう突然変異種、いた】




怖い。その才覚を持ったカラスが水嶋という特殊な男から出る何か良くないものを感じ取り覚醒してしまったのかもしれない。もしこれから各所で人がカラスに襲われたというニュースが流れてきたらそれは全部水嶋のせいであり大変申し訳ない。カラスには水嶋1人捧げるのでどうかこれで許してほしいと思うばかりである。








こんなチューハイ飲むの下手な奴、襲われても仕方ないなとも思う。皆さんカラスには気をつけてください。