庄司陽子の作品です。
聖美第四中学校に転校してきたナッキーこと北城尚子は好きなものは好き、嫌いなものは嫌いがはっきり言えるさばさばとした好人物です。
しかもワガママと言う意味ではなく、彼女の中では一本の筋が通っていて、彼女にとっての信念があります。
(注:正義ではありません(笑) なんていったって「悪たれ団」と名乗っているくらいですから)
男の子の目から見れば、こんな女の子もいるんだっていう感じの少女です。
その魅力に惹かれてチビ、舞ちゃん、初音ちゃん、委員長、沖田くんと仲間が集まっていきます。
でも次第にスポットライトは、「明るくて人気者のナッキー」から「苦悩し一人頑張るナッキー」の部分も照らし出すようになります。
長くは生きられないと診断された双子の姉・真理子(マール)のために、母親の両親の元へと捨てられたナッキー。
そして今再び二十歳までは生きられないと言われたマールのためにと、いきなり一度も逢ったこともなかった両親に呼び戻されたところから、実は物語は始まっていたのです。
様々な人のドラマが複雑に絡まりあって、中学から大学卒業まで話が続いています。
ちなみに現在ドラマ化されているのは、ナッキーが新任として中学校の教師になった『生徒諸君! 教師編』です。
こっちになってからは、前作で触れられていなかったナッキーの人生における問題も浮き彫りになってきています。
ただ、不幸が次から次へと怒涛のように続くので、昔に『生徒諸君!』を読んでいた私には、ちょっとタイプが違うと言うか、「詰め込みすぎじゃない、庄司さん?」と言いたくなるような気がしないでもないのですが。
でも、まちがいなく名作の一つだと思っています。
今更だけど、買い集めようかな(笑)