答辞

 私たち、平成20年度卒業生15名は、今日、無事卒業式を迎える事が出来ました。
例年に比べて、人数が少なかった私たちは、この人数だからこそ一つにまとまり、仲良くやってこれたと思います。この15人は、個性豊かなメンバーが揃い、2年間お互い刺激し合いながら制作をしてきました。その答えが先日のバラエティー豊かな卒業制作展に繋がったのだと思います。

 19才の時から5年間、沖縄でやきものに携わってきた私にとって、多治見でふれるやきものは新鮮なものばかりでした。この土地には志野や織部などの伝統的な焼き物もあれば、オブジェなどの前衛陶芸もあり、個人作家のやきものから大量生産のやきものまであり、懐の深い歴史のある土地です。欲しいと思った原料はなんでもすぐ手に入り、知りたい技術は様々な分野のプロから直接学ぶことができます。
 そして、意匠研究所では、先生方にやきものに向かう姿勢というものを教えられました。なぜその土を選び、なぜその技法で制作し、なぜやきものを選んだのか。その答えは十人十色で、これが絶対という答えはありません。様々な答えがある中で、自分の答えを選んでいきます。
 意匠研究所での一番最初の授業は、土の固まりを握って出来た形の中から、自分がよいと思ったものを一つだけ選ぶというものでした。自分がいいと思った気持ちだけをたよりに、素直に真剣に選び抜く作業。先生達に助言をいただいても、最後に決めるのは自分です。結局最初の授業から卒業制作最後の最後までこの選び抜く、という作業の繰り返しでした。
 意匠研究所には、同世代の人達が集まります。同世代だとライバル心も芽生え、悩みも皆似ていて、切磋琢磨する良い環境が自然と生まれます。今この時代に生きている私たちは、これからの時代を動かしていきます。これからやきものの道で生きていく中で、時には様々な制約から自分の思うことを曲げなければならない時があるでしょう。だからこそいま私たちが本物を作って、時代を動かしていかなければならないのだと思います。そういう意味で、純粋にやきものと向かい合えたこの2年間は幸せでした。さらに月日が経てばより感じると思います。

 1年前の今頃、私たちの学年の約半数が研究所を続けるか辞めるか迷っていました。4月になるぎりぎりまでそのような状況であったのを覚えています。なぜそのようになってしまったのか今考えると、私たちの学年は一度社会に出た人が多く、本気で人生を考えた中で意匠研究所を選んできたからだと思いました。本気で考えている分本気で悩んだのだと思います。
 1年生の時は、先生から出される課題も多く、自分が使える作業スペースが少いといった制約から、思うような制作が出来ず悩んでいました。そんな時、ある方から
『きみは、今ある環境を活かしきっていない。そんな気持ちじゃ場所を変えてもやきもの以外の事をしても何をやってもうまくいかないぞ』
といわれました。その言葉を聞いて本当は自分のせいなのに私は研究所のせいにしていた事に気付き、この場所でもう一度自分の力を試してみたくなりました。そして今、研究所を辞めず続けてよかったと切に思います。
 卒業制作展に向けて精一杯やりきれたことは自信になりました。

 卒業制作展の成功には1年生の協力も欠かせないものでした。ありがとうございました。
 そして、卒業制作展がこれだけ注目を集めたのも、卒業した先輩方の各方面での活躍のおかげだと思います。卒業したら私たち15名もその後に続き、先輩方と同じ土俵に立つことになるので、これからは、プロとしてやっていくという覚悟が必要です。
 社会に出たら、これまでのように自分の制作だけに没頭する事が難しいかもしれません。もしかすると、土に触る機会がなくなる人もいるかもしれません。しかし、卒業制作で作品を完成させた経験や、みんなの力で卒業制作展を作り上げたことは自信になり、これから何をするにしても役に立つ貴重な経験でした。

 最後になりますが私たちに研修する場を与えて下さった、多治見市長をはじめ多治見市役所の皆様、多治見市議会の皆様、多治見の陶磁器業界の皆様、竹内所長をはじめ研究所の職員、講師の先生方に平成20年度卒業生を代表して御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 今日、卒業生15名はやっとスタートラインに立てました。
 以上第50期デザイン、技術コース及び第6期セラミックスラボを代表して答辞とさせていただきます。

平成20年度卒業生代表 村上雄一




それから、HPの制作にご協力いただいた大矢さん、ありがとうございました。
これをもちまして、卒業制作展にむけての日々ブログを終わらせていただきます。
短い間でしたが、ありがとうございました。



最終日も大勢の方に来ていただき、卒業制作展の総来場者数は1184名でした。
本当にありがとうございました。
今回の卒業制作展を無事成功という形で終われたのも1年生や先生方のおかげです。
そして、これだけ注目を集めたのは、卒業した先輩方の活躍のおかげだと思います。
私たち50期とラボ6期、計15名は、卒業したら先輩方と同じ土俵に立つことになり、これからはもう学生ではないので、プロとしてやっていくという覚悟が必要なのだと思います。
卒業生15名やっとスタートラインに立てました。

2月21日 土曜日

第50期卒業制作展にむけての日々

第50期卒業制作展にむけての日々
かよちゃんの壷をのぞくと星空が広がりますきらきら



第50期卒業制作展にむけての日々
会場係長もっさんと会場係担当の山下先生、お疲れさまでした。


第50期卒業制作展にむけての日々
ガラス越しに戯れ合う


第50期卒業制作展にむけての日々
眼鏡族。
ちょっとむさ苦しい受付


第50期卒業制作展にむけての日々
技術コースの中島先生による公開講評がはじまりました。


第50期卒業制作展にむけての日々


第50期卒業制作展にむけての日々
去年の卒業生の砂っち。
ギャラリー春窯では一年後展も行われています。
中島先生の講評もあったからか、今日は同業者が多かった気がします。

今日の来場者数は551人でした!
これだけ注目度があり人が集まるのは、先輩方の活躍のおかげです。