みなさま。
明けましておめでとうございます。
今年も僕の恒例行事がやってまいりました。
これをしないと年を越せない!
これがないと年が明けない!
自分なりのけじめですね!
私的映画ランキング20の発表会です。
と、ランキング発表に行く前に、2016年度のイージーで浅めでどこから目線だよ系の勝手な総括。
『2016年度総括』
今年は正直言って全体的に良い映画が多かったですね!
洋画で言うと、
「ザ・ギフト」「ドント・ブリーズ」「イット・フォローズ」「エクス=マキナ」のような低予算ジャンルものに新機軸を打ち出した作品や、「ブルックリン」「シング・ストリート」「僕と彼女とアールのさよなら」のように青春映画の傑作が多く生まれた印象、その反面お家芸のビッグバジェットエンタメ系がイマイチな出来。
去年の「マッドマックス・怒りのデスロード」や「キングスマン ザ・シークレットサービス」のようにパンチの効いた作品がなくて退屈でした。特にアメコミ系作品のクオリティがダウンしたのは残念。デッドプールのような自虐ギャグ路線は斬新でしたが、もうちょっと派手な闘いが見たかった気持ちも。
「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」には期待していたのですが、キャップの話なんだかアベンジャーズの話なんだかごちゃごちゃになりすぎて「ウィンターソルジャー」に比べてイマイチ。
エンタメ路線で言うと「ファンタスティック・ビースト」が最高位。1970年代のニューヨークを舞台にしながら、大人の青春要素と魔法界と人間界の差別と対立、その中で生まれる悪意を見事に描き、魔法生物のビジュアルも魅力的に見せてくれました。さらに、ハリーポッターの戦闘力の低さに対し、学者でありながらスキャマンダー先生は戦闘力も高めなのも良かった。
そして、邦画。
邦画からこんなに傑作が多く生まれた年は何年振りだろうか!今年は邦画から新たな才能や、ベテラン勢の新作によってかなり盛り上がった印象でした。特に「さんかく」や「ばしゃ馬さんとビッグマウス」のようなオフビートでいてどこか棘のある作風のコメディ映画を得意としていた吉田恵輔監督が初のサイコ・サスペンスに挑んだ「ヒメアノ〜ル」は
「こんな引き出しもあったの?こっちの方が向いてるやん!」
と思ってしまうぐらい見事な完成度。
その他にも日本映画初のメジャーゾンビ映画の「アイアムアヒーロー」もこれ以上ないほどゾンビ描写が良く出来てましたし、怪獣映画を見事に芯から復刻した「シン・ゴジラ」、韓国映画に通ずるバイオレンス描写が話題となった「ディストラクション・ベイビーズ」、綾野剛が出ていれば間違いないとまで言われる俳優になった出演作「怒り」「日本で一番悪い奴ら」なども日本の水準の高さを示す作品となりました。
その反面、是枝監督の「海よりもまだ深く」や、黒沢清監督の「クリーピー 偽りの隣人」などベテラン監督の作品は相変わらず良い映画なのですが、ややパンチに欠けた印象。いつも通りの高品質な作品を見た、と言う状態からやや飛び抜けなかった感じでした。
それではランキングTOP20にまいりましょう〜!
と、その前に、「なんであれ入ってないんだよ!!!」といった類の批判を避けるために「見逃して後悔している映画」をここで発表します。
言い訳させてください。忙しくて観賞できませんでした。
【ishiwasaが見逃した映画2016】
※見逃している且つ、観賞したらランキングに変動をきたしそうな映画
・淵に立つ
https://www.youtube.com/watch?v=f-ZOcpO2bNc
・永い言い訳
https://www.youtube.com/watch?v=v1VXIiDyu3A
・この世界の片隅に
https://www.youtube.com/watch?v=kczb7IJJg0g
・ダゲレオタイプの女
https://www.youtube.com/watch?v=cgomxEv5E3Q
・溺れるナイフ
https://www.youtube.com/watch?v=nfFrNuNMSpA
・二重生活
https://www.youtube.com/watch?v=fz7LX6hRrYw
・葛城事件
https://www.youtube.com/watch?v=5NubE2rfjYI
※見逃している且つ、観賞してもランキングに変動をきたすことがなさそうな映画
・君の名は
https://www.youtube.com/watch?v=k4xGqY5IDBE
もう一度言わせてください。
本当に、忙しかったんです。。。。。
全部日本映画やないかい!!
【ishiwasa的映画2016年度ベスト20】
だらだら長くなってしまいましたがそれでは参りましょう。
以下ベスト20です。
※毎年の恒例にしているこのランキングですが20位~19位はランキングのみでザザっと、10位~1位はコメントありで振り返ります。TSUTAYAに来たけど何を鑑賞したら良いかわから無い。GEOに来たけど何を選んだら良いかわから無い。とにかくレンタルDVD屋に来たけど困っている。そんな方の役に立ちたい! という究極の善意の元に生まれたランキングです。
第20位
「エブリバディウォンツサム!世界は僕らの手の中に」
https://www.youtube.com/watch?v=tDT1yJg-7DI
第19位
「レヴェナント:蘇りし者」
https://www.youtube.com/watch?v=Q9oOfyF4k00
第18位
「ローグワン/スターウォーズストーリー」
https://www.youtube.com/watch?v=aDgww2IICBs
第17位
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
https://www.youtube.com/watch?v=C5y9guceh6M
第16位
「キャロル」
https://www.youtube.com/watch?v=5y2sv3SSJqs
※レビューを投稿しました
https://filmarks.com/movies/59336/reviews/15055182
第15位
「アイアムアヒーロー」
https://www.youtube.com/watch?v=VBp7zW9hxZY
※レビューを投稿しました
https://filmarks.com/movies/58610/reviews/17294797
第14位
「SCOOP」
https://www.youtube.com/watch?v=CLpLmXU6AwQ
第13位
「ザ・ギフト」
https://www.youtube.com/watch?v=5l2M7n3o-XQ
※レビューを投稿しました
https://filmarks.com/movies/63765/reviews/25586733
第12位
「エクス=マキナ」
https://www.youtube.com/watch?v=D9UOrMgCfSs
※レビューを投稿しました
https://sp.filmarks.com/review/19470406
第11位
「スティーブ・ジョブズ」
https://www.youtube.com/watch?v=ZjgUOSED_cM
※レビューを投稿しました
https://filmarks.com/movies/61368/reviews/15571775
第20位〜第11位、いかがでしたでしょうか。
第18位に話題のローグワンをランクインさせてみました。
スターウォーズ史上最も帝国軍の力が強大だった時代の話、且つフォースを使えるキャラクターもいないので物語は自ずと悲劇的な結末に向かいます。おじさん世代は涙する人も多いでしょう。。。しかし!まるでファンサービスかのように最後「あの人」が大暴れするので泣いたと思ったら「あれれ〜」なんつってテンション上がってエキサイトして劇場を後にする人も多いのではなかろうか。とにかくあの登場のさせ方はうまいですね。
それでは第10位から発表します!
第10位
「シン・ゴジラ」
https://www.youtube.com/watch?v=izauIfJl4II
言わずと知れた今年の大ヒット作品ですね。「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督総指揮のもと、稀代の怪獣映画が誕生。「アウトレイジ」の塩見三省もびっくりの凶悪フェイスの新ゴジラが東京を火の海に。
徹底した取材により「未知の災害が発生した時、政府はどのような対応を取らなければならないのか」と言うシミュレーション映画になっていた事が最大の功績。本来の怪獣映画というのは「核兵器などを筆頭とした”恐怖”のメタファー」であったため、震災〜原発問題を経験した現代の日本だからこそ、潔くゴジラを原点回帰させた東宝の英断に拍手を送ります。しかも、まあ予告編をつまんなそうな映画に見えるように作りやがって・・・!!(褒め言葉)
見事に騙されましたよ!
完全にFAKEでしたよ!
佐村河内守の映画じゃないんだよ!
第9位
「湯を沸かすほどの熱い愛」
https://www.youtube.com/watch?v=K8ooCVZTtys
余命2ヶ月を宣告された母親が、バラバラの家族を再生させるためにミッションを達成していく様を、コミカル且つ感動的に描いた作品。僕は今年一番の水分量で泣かせていただきましたが、正直「お母ちゃん」の解決手段は常にロックすぎてドン引きスレスレ。もしかしたら健全な育ち方をした人にはハマらないかもしれない。でももしあなたの心の中にロックなソウルがあれば、そんなことも気にならないぐらいエキサイティングな映画。賛否が分かれるラストも心にスッと入って、心の中に熱いお湯が沸くかも。
宮沢りえはいつも以上に良いのですが、娘役を演じた杉咲花ちゃんがすごい。そして中野量太監督のオリジナル脚本であることもポイント。序盤の伏線が見事に回収されていく様や、ミスリードによる驚きの展開は爽快感すら伴う。
早くも次回作が楽しみで仕方ない。
第8位
「怒り」
https://www.youtube.com/watch?v=iMG1qVZ2dcs
豪華キャストが話題になった重い、重〜〜い映画。「悪人」の李相日監督最新作。
映画でしかできない真犯人のミスリード演出や、ウォン・カーウアイの「ブエノスアイレス」を彷彿とさせる直接的なゲイシーン。ここまでの描写はメジャー邦画では描けなかったはず。そしてそこに挑んだ綾野剛と妻夫木聡の演技は今年で一番のパフォーマンスだったと思います!また、沖縄編で最終的に主役クラスのキーマンになっていく佐久本宝が秀逸。彼を発掘した時点で本作の勝敗は決定したのだと思う。ここまで新人が映画の終盤に向かって目立っていく映画なんて見たことなかった。正直、度肝を抜かれた。
ただ、僕は原作は未読です。
原作既読の方には絶対に何かしらの不安があるはず。
そこで当然感想の賛否は分かれてくるでしょう。
第7位
「ブルックリン」
シアーシャ・ローナンちゃんに改めて恋をする映画。
田舎女子の成長物語としても見どころたっぷりだが当時のハイセンスなファッションを見るだけでも楽しい。「アバウト・ア・ボーイ」のニック・ホーンビイが書いた、時代は違えど普遍的な共感性たっぷり要素を盛り込んだ脚本がお見事。二つの故郷を持つ事になる女性の心の揺れ動きは見ていて多少ハラハラするかも。
詳細レビューは下記からどうぞ。
https://sp.filmarks.com/review/21509909
第6位
「イット・フォローズ」
https://www.youtube.com/watch?v=r4wfajFlPJI
2016年1発目に鑑賞した斬新極まりないホラー映画。
何者でもない、存在意義が不明な「IT」に追いかけられる若者たちを描いた作品。
ホラー映画と侮るなかれ、計算されたアングルの広さや赤と青の色彩配置など、キューブリックの「シャイニング」以来のアーティスティックな才気を感じる恐怖映画なのです。「誰と肉体関係を持つか」という青春特有の悩みがここまで恐怖に転じてしまう映画も見たことが無い。
詳細レビューは下記にて。
https://filmarks.com/movies/62242/reviews/13949637
第5位
「さざなみ」
https://www.youtube.com/watch?v=8Gvief-jzVw
結婚45周年を迎える老境の夫婦の関係が、夫に届いたある手紙から思いもよらぬ真実が明らかになり、たった1週間で破綻を迎えるという恐怖の映画。
「さざなみ」という邦題は近年稀に見る秀逸な邦題であり、現代の「45years」よりも的確にヒロインの心情の揺れ動きを表現している。アンドリュー・ヘイ監督の静かながらも徐々に離別へ向かって突き進む演出とシャーロットランプリングの不穏な表情はまさにさざなみのごとく画面に緊張感を増大させていく。
人間の信頼関係というものが、寄り添った時の長さによって培われるものでは無いということを見事に表現してしまった残酷な映画です。
町山智浩さんがSF作家のレイ・ブラッドベリが書いた「みずうみ」という作品を引き合いに出して紹介しているので興味のある方は鑑賞後に下記を読んでも面白いですよ。
「町山智浩 映画『さざなみ』を語る」
http://miyearnzzlabo.com/archives/36981
第4位
「シング・ストリート 未来へのうた」
https://www.youtube.com/watch?v=v0sSmZWgKBU
鑑賞後に絶妙な高揚感に満たされる青春映画。「はじまりのうた」のジョンカーニー監督の最新作であり、彼の経験を基にした作品。
1985年の大不況下のダブリンを観るだけでも価値がありますが、夢を追う少年たちを愛情たっぷりに描き、未来への船出に背中を押すラストも爽やか。それでいて人生がこの先苦難の連続になるという現実的な暗喩も忘れない、リアリティとのバランスも良い。個人的には苦しい家庭と思い通りにならない恋に悩む主人公の心情が描かれる「Drive It Like You Stole It」のミュージカルシーンが白眉。
詳細レビューは下記にて。
https://filmarks.com/movies/66490/reviews/21573675
第3位
「スポットライト 世紀のスクープ」
アメリカ・ボストンの地方新聞「The Boston Globe」紙が2001年に発表した、カトリック教会による少年少女への性的暴行事件の真相を明らかにした記事の記者たちを描いたアカデミー作品賞を受賞した作品。
全体的な作りは地味の一言ですが、堅実に、着実に、真相が芋づる式に明らかになっていく過程には鑑賞後放心状態になってしまうほど胸が痛み、悍ましくもある。
決して記者たちをヒロイックに描くことはなく、最後まで毅然とした立ち位置の作品であるが、そのリアリティが多くの人を感動させました。仕事上のチームワークがここまで熱いものを呼び起こさせる映画も早々ありません。
記事を発表することが、周囲の家庭にどのような影響を与えてしまうのかまでが描かれており、そういう意味でもいたたまれない映画です。
ぜひ多くの人に見てもらいたい映画です。
詳細レビューは下記にて。
https://filmarks.com/movies/60426/reviews/17085908
第2位
「ヒメアノ〜ル」
https://www.youtube.com/watch?v=bFgLQGyKn9I
総括でも紹介させていただきました。古谷実の同名コミックを映画化した本作が第2位。中盤でようやく入るタイトルロールからの急速なサイコサスペンスへの切り替わりと殺人鬼を演じた森田剛が見事。今年は学生時代の「いじめ」がキーとなる映画が多いですね・・・。いつの時代になってもなくならない陰湿ないじめ問題。何気無く自分の子供が加害者になっていたら、こういう事件につながってしまうという可能性はゼロとは言えないですよね。親として即座にやめさせるか、同伴で本作を鑑賞しましょう。
加速していく殺意と裏腹に、緩やかにぶつ切りの終わり方をする原作とはまた違った展開のラストも好感が持てます。過度のストレスに追い詰められると、あるスイッチをきっかけとして人間は幼児退行現象に陥ることがあるそうです。
THE YELLOW MONKEYの「JAM」という曲の詩に下記の一節がありました。
あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も
みんな昔子供だってね
単にそこに帰結させるラストは、ただただ心に残りました。
詳細レビューは下記にて
https://filmarks.com/movies/61954/reviews/18556840
第1位
「ボーダーライン」
https://www.youtube.com/watch?v=gtKHoOTnxOE
メキシコ・フアレスとアメリカの国境地帯を舞台に、FBIと麻薬カルテルの攻防戦を描いた作品です。
サスペンス、アクション、社会問題の反映度、撮影の構図、カラーリング、演技力の高さ、どれを取っても完全に僕好み。まさにエンタメ性、社会性、芸術性が一挙に同居した大傑作だと思います!
冒頭に映し出されるのは、原題でもある「Sicario」の意味。
In Mexico "Sicario" Means Hitman.
鑑賞後に改めて気付かされるのは本作の全てが、劇中に登場する"Sicario"
中心に回っていたということ。それをエミリーブラント演じる女性捜査官を主人公に据え、狂言回し的な役回りに配置することによって、観客も何が起きているのかわからず、ただ敵も味方もわからない善悪のモラルも無い世界に没入させる仕掛けだったと理解するわけです。それが映画体験自体の魅力の増幅器となって機能しているんですね。
全体構成力の高さも段違いです。
詳細レビューは下記にて。
https://filmarks.com/movies/60878/reviews/16589766
と、いうことでいかがでしたでしょうか。
ここで僕のランキングは締めくくりたいと思いますが、
あとは番外編のコンテンツを。
【ishiwasa的2016年度がっかりした映画】
※がっかりしたので予告編は割愛します。
・X-MEN アポカリプス
・ミュージアム
・シャーロック 忌まわしき花嫁
・クリムゾン・ピーク
【ishiwasa的2016年度衝撃シーン】
・「リリーのすべて」
エディ・レッドメインのレッドなメインがチラ映りするシーン
・「ボーダーライン」
Sicarioが女子供を容赦なく撃ち殺すシーン。
暗視ゴーグル一連のシークエンス。
・「ヒメアノ〜ル」
殺人シーンとSEXシーンのクロスカッティング編集
・「日本で一番悪い奴ら」
綾野剛が初めてコカインをキメてとんでもない目つきになるシーン。綾野2016。
・「シン・ゴジラ」
背中からレーザー光線がピュンピュン飛んじゃうシーン。
内閣のほとんどが葬り去られてしまうシーン。
・「ロスト・バケーション」
ゴーグルもないのに水底の突起物への誘い込みでサメとの勝負に勝つシーン
と、いうことで、皆さん今年も良い映画に出会いましょう!
それでは本年度もよろしくお願いいたします!
FUMITO ISHIDO
※長文駄文失礼しました
