小冊子を読んだり、市民講座に参加して頂いた方には、

なぜ、外壁塗装工事の値段が一律にならないのか

なんとなく、お分かり頂いていると思います。

 

前回は、同じ面積でも、外壁の種類や傷み具合、

さらには、初回の塗替えか、それとも2回目なのかによっても

大きく値段は違ってくることをお伝えしました。

 

今回は、屋根の勾配(傾斜角度)によっても、

大きく値段は違ってくることをお伝えします。

 

    

                                          ☝️

上記写真の施主様から、屋根塗装のお話を頂きました。

この施主様宅の屋根勾配(傾斜角度)は7.5寸勾配(約37度)です。

ピンとこないかもしれないので、参考までに10寸勾配は傾斜角度45度になります。

 

角度で表現しても、やはりあまりピンとこないかもしれませんね。

ちなみに、診断見積りの段階で、二連ハシゴを屋根に掛けて、

何も手で掴めるものがない状態で屋根に上がれる限界の勾配は6.0寸(約31度)です。

それも滑りにくい靴をはいて、屋根の表面も滑りにくい状態の場合に限ります。

 

それ以上は無理で、上記の写真の施主様宅は診断見積りの時は、

下り棟部分を手で掴みながらなんとか上がりましたが………。

(なぜ、そこまでして上がるのか? 図面はなく、直接測るしか方法がないため、

屋根に上がってスケールで測り正確な面積を出しました。それに屋根の診断も必要です)

 

正直、この急勾配の屋根を、足場なしで上がったのは初めてです😅

 

そこで、何が値段が一律にならないのかですが、

工事が着工すると、一番最初にする足場組み立て。

この足場は、通常は屋根には足場を組みません。

 

ところが、先ほどお話ししてきたように、このような急勾配屋根の場合は

通常の足場(家の周りに立てる)にプラスして、

「屋根足場」というものを組まなくてはいけないわけです。

 

そしてこれが、組立に手間がかかりますし、

比例して、屋根足場代は通常の足場代と同じくらいの費用がかかるため

単純に、足場代が2倍になると考えてもらえればいいと思います。

 

特に、この施主様宅の場合、外壁の塗装は必要なく屋根のみの塗装ですから、

一見、見積り金額を見ると、全体の工事費の中に足場代金の占める割合が

約半分になりますから、ものすごく割高のように感じてしまいますが、

 

しかし、目的の屋根塗装をしっかりと施工するには、この足場は欠かせないものです。

職人が安全に作業を進めることにもなりますし

足場がしっかりと必要なところに組まれていなければ、

しっかりとした塗装作業はできないということです。

 

この施主様の家は、築100年を越えるお住まいです。

釘を一本も使わない、宮大工が建てた立派な日本家屋です。

今回、私に屋根塗装をお任せ頂いたこの貴重なお住まいが、

これからも末永く残り続けるようにしっかりと工事をさせて頂きたいと思います。