いかに日本が分煙に対して前向きではないかを示している論文です。2014年に労働安全衛生総合研究所が産業衛生学雑誌に掲載したもので、たばこを吸っている人が吸い終わって出てくる時に煙が外に漏れないように、10万円程度の経費で喫煙室のドア付近に扇風機と換気扇を回せるようにすればいいと。建物が全面禁煙になる前の緊急措置としてであって、いずれ建物の外で吸ってもらうようになるから、それまでのつなぎといった感じがします。廊下を歩いていたらドアが開き煙を吸いこんだ、早く全館禁煙にしてくれとクレームが出てくるのを待つような措置です。さらにご関心のある方は医中誌番号 2014309418



※参考文献

漏出煙を低減する喫煙室の試作 全面禁煙化前の措置として

Author:小嶋 純(労働安全衛生総合研究所)

Source:産業衛生学雑誌(1341-0725)56巻3号 Page83-86(2014.05)

論文種類:原著論文

Abstract:たばこ漏出煙抑制装置(漏出抑制装置)を付設した喫煙室を試作し、その効果を検証した。その結果、喫煙室における漏出たばこ煙濃度は、漏出抑制装置を作動させることで装置停止時の約54%に低減し、装置停止時と作動時で有意差が示された。本報で試作した漏出抑制装置は、喫煙者が退出するごく短い時間のみ、ドアに取り付けたファンと補助換気扇を作動させる簡易な構造のため、総額10万円程度の費用で必要な装置類を調達でき、付設や稼動に要する負担を抑えつつ漏出煙を半減させる利点があると考えられた。