いしだぐみ深呼吸

いしだぐみ深呼吸

イラストレーターいしだぐみが
関連グッズやアイデア、
日常の気づきについて語ります。

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今年はオリンピックのエンブレムと競技場関連でいろいろと揺れた負の意味でオリンピック・イヤーとなった年だった。

今から思えばエンブレム決定の記念撮影において受賞者が立っているのではなく腰を落としていわゆる「蹲踞の姿勢」になっているという、とても窮屈で不自然な写真が報道されたことが暗い未来を暗示していた。

実はそんな未来を予言したかのように私はすでに昨年「ヨリンピック」というデザインを制作し、Tシャツなどのグッズとして発表していた。
ファイリング用のリングを組み合わせて四輪とし、一個を地面に落下させたモチーフである。



ヨリンピック




https://suzuri.jp/saburouramo/94945/t-shirt/s/white

このデザインは競技場などの不手際というよりは、モスクワ五輪のようなボイコット問題の方を考えながら制作したものである。五大陸がまとまりに欠けるという意味で。
このデザインでは 緑の位置にあたるヨーロッパ大陸が欠落していることになる。
公式にはどの色がどの大陸という規定はないそうだが、EUの危機的状況とかテロとかを予見したとして、私としては緑=ヨーロッパ説を採用する。

現在五大陸といえばユーラシア、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、オーストラリアだろうからですでにアナクロなマークという気がしないでもないが。そのへんはよしとしよう。

今年になってアメリカにある世界最大級のグッズ販売サイトにもショップを開設し、この作品をモチーフにしたグッズを掲載してみた。

CafePress
http://www.cafepress.com/


私のプロフィールページ
http://www.cafepress.com/profile/taroramo



ここにヨリンピックを出店したのは今年の一連の不祥事後のことである。
一番の目的は「腹切りマニュアルグッズ」などの日本的モチーフが外人にウケるのではないかなと考えたからだが。

腹切りマニュアル


腹切りマニュアルグッズ<白>
http://www.cafepress.com/harakirimanual


腹切りマニュアルグッズ<黒>
http://www.cafepress.com/harakirimanual_bl



「ヨリンピック」のような語呂を英語圏でも採用しようと思い、落ちるリングの「Fallympic」とする。

オリンピックの危機を訴える作品としてオリンピック関係者や参加者にはより慎重な態度と自制、注意喚起を促す。
アンチ・オリンピック関係者はキャンペーン用の制服や招致反対運動のシンボルに使用できる。
オリンピック懐疑派にとっては、コマーシャリズム極まったオリンピックへの警鐘とか、事業の寡占化に対する疑問を表明するイコンになるのではないか。


賛成・反対派両方に使えるオリンピックグッズの誕生だ。
大ヒットしたら、リオデジャネイロ・オリンピックなど巡りつつ次なる作品制作のアイデアを練ろう。ぐふふふ私は世界を又にかける華麗な蝙蝠。
などと邪ま(よこしま)なことを考えていたのであるが、登録した2日後くらいに英語の通知メールが来た。
「この作品はオリンピック・マークの使用規定、版権に抵触するために、保留状態となっています」
みたいなことが書いてある。やっぱりそうなるか。
正直な話予測してなかったのだけれど。

製品化は不可となったが、保留中なので説得の余地はあるかも知れない。

これ五輪じゃないでしょ。4輪+C字形オブジェでしょ。かなり離れてるし。
色付いてないよ。シルバーだよ。
オリンピック・マークに見えるなんて考えすぎじゃない。横向きの眼鏡の人物かも知れないじゃない。顔ですよ。マークじゃないですよ。
なんならタイトル変えますよ。

こんちは陽気なくーべるたん!

ってのはどうですか。「タンタン」みたいな「たん」という語感で。


真面目な話、完璧に整った五輪マークだけが規制の対象になるべきではないかと思う。
この図像には落下した輪があるから、当局の逆鱗に触れるかも知れないが、仮に落下した輪がなければ、似てはいるけれどもまったくの別物といえるだろう。
さもなくば、3つの円マークの企業が2つ円マークの企業を盗作と訴えることだって可能になってしまうだろう。


SUZURIさんには削除なんて無粋な自主規制がないことを願っている。
だってこれ、オリンピック関係ないっすから。


ヨリンピックグッズ











何かと好評の「実写版・ど根性ガエル」を3話まで見た。

このドラマがまず秀逸なのは舞台がアニメの後日談、16年後の世界であること。
すっかり成長してカッコいいパン屋の社長になっていて、区長まで目指しているゴリライモ。
対して実家暮らしで30歳無職のひろし。
教師生活が16年加わった町田先生は校長に、赤マスクの怪童五郎は警官に。梅さんは相変わらずよし子先生にプロポーズできず、京子ちゃんはバツイチの出戻り。
ゴリライモ以外の人格設定とよし子先生の年齢wだけが原作のままというところが面白い。

以下雑感

・みんなの指摘どおり満島ひかり のピョン吉が凄い。アニメ版と同じ人がやっているのかと思わせるほどだ。

・母の薬師丸ひろ子に主にピョン吉Tシャツを着せてひろしと対面させる画面構成が、必要上生まれたとは言えよく出来ている。

・前田敦子の演技も良いが誰かが書いていたように京子ちゃんのイメージはやっぱ堀北真希だな。

・ピョン吉はシャツから剥がれかかっているし「俺はカエルなのになぜ長生きなんだろう」「死んだらどうなっちまうんだろう」などと死をイメージさせる言動も多く、これはひょっとしてとても悲しいラストが待っているのではないかなどと心配になってくる。

・デトロイト・メタルシティもそうだけれどマツヤマケンイチはこういうコミカルな役の方が合っているかも。

・「け、け、け…」と言いながら結婚を切り出せない梅さんの前で期待しているよし子先生。言いたいことはわかりきっているのに16年も待っている。そりゃ先生、あんたも悪い。
 結婚と聞いたとたんに一挙に16年分フケたりしてね。

・ゴリラパンのテーマ・ソングが「ひょっこりひょうたん島」に似ていて笑える。

昨年カエルTシャツをつくったけれど、このような形でテレビに実写版が放映されるとは夢にも思わなかったなあ。


CAFE PRESSの平面ガエルショップはこちら
http://www.cafepress.com/pyonkichiflatfrog



平面ガエル実写版

FlatFrogです。
あらかじめことわっておく。私はジブリファンではないので、作品を劇場で観た事もなくDVDすら借りたことがない。
ポニョの後はテレビや録画さえ視ていないが、それ以前の全宮崎(ジブリではなく)作品は視ていると思う。宮崎作品の最高傑作は「コナン」だなどと言っている奴だ。
そんな私が先日NHKで放映された「アニメーションは七色の夢を視る」を視た。
新生ジブリを担う宮崎吾朗と米林宏昌を追った番組だ。

この新体制は宮崎・高畑体制という七色の夢を視ているとでも言うのだろうか。
二人の作品未見だからなんとも言えない。しかし様々な映画評や口コミから判断してどうにもスケールが小さそうで録画でさえ視る気になれない。
空を駆けめぐるジブリから引きこもりジブリへと変質したというべきか。

この二人を推すなら「トトロ+火垂の墓」みたいな2本立てから始めて二大新人対決構造を大々的に謳えばよかったのではないか。

先の「七色の夢」を視ておやと思ったことがある。
あまりにも表現とかアニメ的リアリティにこだわりすぎていることだった。
アニメ的リアリティではない。ジブリ的リアリティというべきか。

宮崎・高畑によってジブリ的リアリティは極限まで高められたが、それ以前に「ストーリーの面白さ」とか「ストーリーの優先」があったのではなかったか。
ある種偏屈なジブリ的リアリティにこだわらなくたって傑作を易々と生み出すアニメプロダクションは数多存在するというのに。
表現は二の次で良い。作品さえ面白ければ。
ジブリは天才二人の先達によって「アニメ表現塾」と化してしまったのか。
もちろんそのようなプロダクションが存在することこそ貴重なので頑張っていただきたいとは思う。

後継者二人はともかく宮崎駿アニメの興行成績は低下の一途を辿っている。

1997年 もののけ姫    193億円 1420万人
2001年 千と千尋の神隠し 304億円 2350万人
2004年 ハウルの動く城  196億円 1500万人
2008年 崖の上のポニョ  155億円 1200万人
2013年 風立ちぬ     120億円

「もののけ」は宣伝が良くて劇場に人を集める。そこそこ面白かったので次の「千と千尋」に期待が膨らんで大ヒット。しかし、人々はこの作品で「うーん」とうなってしまう。
表現は良いけど何が言いたいの。あんまり面白くない。テレビ放映まで待てるかも。
で、ハウル以下の結果である。
数字的には相変わらず凄いのだが、40億円の減収といえば黒澤明「影武者」まるまる1本分に相当する。
観客はずっと宮崎駿に失望してきたのである。

正直な話、観客は皆カリオストロ・ラピュタ・ナウシカを求めて劇場に足を運ぶ。
作者も老成したからさすがにラピュタはないとしても、それなりに深化した世界観を堪能できるのではないか。という淡い期待を抱いてチケットを買う。
あまり期待せずに作品を鑑賞し、やはり期待以上期待以下でもなかった…と、ある種の諦念を抱いて帰路に就く。
あくまでも想像だけど、ポニョまでの流れからして大きく外れてはいないだろう。 
宮崎本人はこのような構図をまったく確信犯的にやっているから良いとしても、絶望した船長に周囲が黙々と従い、一緒に沈没するのはどんなものだろう。

今後は宮崎の引退でジブリの大減収は必至だし、以後も宮崎・高畑ほどの巨匠が出る可能性は極めて低い。

崖の上のジブリの決定的な失敗を回避するには、時間と費用が膨大にかかる長編こそ極上のジブリ・エンターテインメント作品に徹し、宮崎・高畑の個人的ワールドはせいぜい45分ほどの中編で表現すべきではなかったかと思う。

上記をちゃんと理解しているのがたとえばディズニーである。
「アナと雪の女王」大ヒットの余韻さめやらぬままダブル・ヒロイン作品「思い出のマーニー」公開という後塵を拝した不幸な偶然は、ジブリの未来を予言しているような気がしてならない。




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