『四谷怪談』の基本的なストーリーは「貞女の岩が夫である伊右衛門に惨殺され、幽霊となって復讐を果たす」というもので、鶴屋南北の歌舞伎や三遊亭圓朝の落語が有名です。
舞台や映画をみたことがない人でも、名前は聞いたことがあるという人も多いでしょう。
四谷怪談
しかし、このお岩さんを祀る「於岩稲荷田宮神社」の由来に書かれているのは、
まったく違う内容です。
「由来」
「田宮稲荷神社は、於岩稲荷と呼ばれ四谷左門町の御先手組同心田宮家の邸内にあった社である。
初代田宮又左衛門の娘お岩(寛永13年没)が信仰し、婿養子である伊右衛門とともに家勢を再興したことから「お岩さんの稲荷」として次第に人々の信仰を集めた。ー省略ー
ざっくり言うと、夫婦円満で苦しい時もお互い支えあったな仲のいいご夫婦だったということです。
では、なぜお岩さんは怨霊として描かれてしまったのでしょうか?
お岩さんは良妻賢母の鏡であり、伊右衛門との夫婦仲はおしどり夫婦として世に広く知られていて、お岩さんの没後も、田宮家の敷地内にあったお稲荷様は江戸の人々の信仰を集めていました。
そこに舞台の新作のネタ探しをしていた鶴屋南北が目を付け、江戸で有名な夫婦の名前を使い四谷怪談を書き上げました。
この四谷怪談、上演するたびにけが人が続出し、お岩さんの祟りと言われ恐れられていましたが、これは一説では舞台の仕掛けが多いことが原因ではと言われています。そもそも、怨霊ではないのだから祟りも何もないですよね。
江戸時代に商売繁盛、夫婦円満の神様として人々の人気を集め、現在も田宮家の子孫が宮司を務めて守っている「於岩稲荷田宮神社」。怪談噺のゆかりの地として、興味のある方は四谷怪談を読んでから是非いってみてください。
四谷怪談の内容はいろんなバリエーションがあるので、内容の違いを楽しみながら読むのがおすすめです。
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