藤原竜也と山田孝之が初共演を果たす新作映画の正式タイトルが『MONSTERZ モンスターズ』に決定し、劇中の二人の姿が明らかになる第1弾ビジュアルが公開された。
映画『リング』の中田秀夫監督がメガホンを取り、人間をまなざしだけで自由に操る力を持つ男（藤原）と、唯一その力が効かない青年・終一（山田）による、壮絶なバトルを描く本作。これまでタイトルは仮のものとして『MONSTER』とされてきたが、二人の「怪物」の争いを予感させる『モンスターズ』に正式決定した。
映画『DEATH NOTE デスノート』『桐島、部活やめるってよ』などでも知られるプロデューサーの佐藤貴博は、複数形となった題名について、藤原演じる男だけでなく、山田ふんする終一も「怪物」であることを意味していると解説。なぜ普通の人間である終一も「モンスター」なのか、その意味も本編の重要な要素になるようだ。
公開されたビジュアルは、背中合わせに並び立つ藤原と山田の姿以外の要素を全て排したシンプルなもの。日本映画界において、若手俳優を代表する藤原と山田の存在を強調するような構成が、初共演に挑む二人の自信と意気込みを感じさせる。その戦いに翻弄（ほんろう）されるヒロインを演じるのは石原さとみ。さらに田口トモロヲ、松重豊、木村多江ら実力派キャストが脇を固める。
本作は韓国で大ヒットを記録した映画『超能力者』が原案のサスペンスアクション。日本版の製作にあたって用意されたという、オリジナルとは違った独自のラストにも期待がかかる。（編集部・入倉功一）
映画『MONSTERZ モンスターズ』は2014年全国公開
☆参考☆映画『超能力者』
『チョン・ウチ 時空道士』のカン・ドンウォンと、『白夜行 白い闇の中を歩く』のコ・スという人気イケメンスター共演のSFドラマ。超能力を持つがゆえに人との接触をさけてきた男と、彼との出会いで超能力に目覚めた男。2人の男の悲しき運命がつづられる。監督は本作が劇場長編デビュー作となるキム・ミンソク。
天涯孤独のギュナム（コ・ス）は、親友のボバとアルと共に廃車工場で働き、貧しいながら明るい未来を信じていた。しかし事故で入院し、工場を解雇されてしまう。退院したギュナムは求人欄で見つけた、胡散臭いが人のいい店主（ピョン・ヒボン）と、その美しい娘ヨンスク（チョン・ウンチェ）が営む質屋ユートピアで働き始める。もう1人の男（カン・ドンウォン）は、ソウルのホテルを転々としながら他人とかかわりを持たずに、誰からもその名前を呼ばれることもなく生きていた。彼は、まなざしだけで人を操ることができる能力を持ち、その力ゆえに母親を守ろうとして父親を殺し、母親から殺されかけた過去を持っていた。彼は、必要最小限の金を手に入れるためだけにその力を使う。ある日、男はユートピアにやってきて、自分の力が及ばないギュナムと出会う。自分以外の人が操られているのを目の当たりにしたギュナムは男を止めようとするが、自分で操れない相手の出現に驚いた男は、思わず店主を殺してしまう。男は何とか逃げ出すが、自分の秘密を知ったギュナムを殺そうとする。ギュナムも店主の復讐のため、防犯カメラの映像を手に入れようと質屋に潜入し、男と再会する。男はその場にいた人を操ってギュナムを襲うが、身体能力抜群のギュナムは、逆に男を追いつめる。ギュナムは男を警察に連れて行くが、超能力で殺人を犯したと訴えても相手にされない。男は隙をついて逃げ出し、ギュナムは警官の銃を持って男を追い、指名手配される。男は母親を訪ね、銃を向けるが、殺すことはできずに去る。ギュナムはボバとアルに助けられながら、執拗に男を追う。ついにボバとアルも男の手に落ち、男はヨンスクを連れて逃走する。しかしギュナムに追いつめられ、高層ビルの屋上に行く。男は、ギュナムが自身の超能力に気づかず平凡に暮らしてきたことに嫉妬すると同時に、自分のように秘密を抱えた人生を送ることに憐れみを感じていた。ギュナムも男の苦悩に気づき、名前を尋ねる。
キャスト
チョイン カン・ドンウォン
チョインの子供時代 ヤン・ギョンモ
ギュナム コ・ス
ピョン・ヒボン
ヨンスク チョン・ウンチュ
ヒョスク ユン・ダギョン
チェ・ドクムン
アブダド
エネス・カヤ
キム・グァンギュ
スタッフ
監督 キム・ミンソク
脚本 キム・ミンソク
製作 イ・ユジン 、 ソン・テチャン
撮影 ホン・ギョンピョ
美術 チョン・スア 、 ノ・サンオク
音楽 イ・ジェジン
照明 チェ・チョルス
編集 キム・ジェボム
衣裳デザイン チョ・サンギョン
メイク ファン・ヒョンギュ
助監督 イ・ボムソク
特殊効果 クァク・テヨン 、 ファン・ヒョギュン 、 チョン・ドアン 、 イ・ヒギョン 、 ヤン・イルソク
原題 초능력자
製作年 2010年
製作国 韓国
配給 ツイン
上映時間 113分