幼少～極妻１０｢親友」 の続きです
大親友だったEちゃん
小学校の低学年の頃、好きじゃない学校もEちゃんがいたから楽しかった。
いつも泊まりに行ってはEちゃんのお父さんやお母さんにもお世話になりました。
ところがある日、一本の電話が…
Eちゃんのお母さんからです。
Eちゃんのお父さんが…
自殺したと聞かされました。
なぜ なんでなの…
お姉ちゃんが朝起きてトイレに入ろうとドアを開けたら、首をつって…
家族同様に優しかったEちゃんのお父さん
幼い私には理解できませんでした。
お通夜 お葬式
先生やクラスのみんなと行きました。
わんわん泣いてたEちゃんとお姉ちゃん
私は掛ける言葉を失いました…
あまりにもショックな出来事。
前の日も一緒に遊んで夕飯をご馳走になったばかり…
Eちゃんのお父さんから亡くなる前日にもらったお小遣い。
五百円。
今の五百円とは価値が違います。
何十年も前の遠い昔ですから…
Eちゃんは学校にも来なくなりました。
近所の人にも言わないで引っ越し…
誰も引っ越し先は分からないまま。
私はEちゃんのお家があった商店街を片っぱしから聞いて廻りました。
お魚屋さん、八百屋さん、お菓子屋さん、パン屋さん、本屋さんなど何十件も…
みんな仲良かったはずなのに。
｢なんで大人が知らないの？｣
学校が終わってランドセルを置くと、Eちゃんの居場所を知るために必死に探してました。
毎日…
暫くしてからEちゃんの家は売りに出されてました。
商店街の人達は仲良かったはずなのに、Eちゃん家族のことを話したがりません。
後でお母さんに聞いたら、亡くなったお父さんはいろんなところでお金を借りていたらしいです。
近所の人達にも…
それでも大切な家族がいるのだから、生きていて欲しかった…
私のなかでは優しい笑顔のお父さんしか思い出せない。
うちのお父さんと違って怒らない人でした。
何年かの歳月が過ぎ、Eちゃんから電話があったんです。
｢今どこにいるの？｣
Eちゃん｢お母さんから住んでる場所は他の人に言ったらダメって言われてるけど、内緒で教えるね｣
声が聞けて嬉しかった。
生きていて良かった。
本当に…
中学の一年生のときです。
何年かぶりに再会することができました。
待ち合わせ場所は新宿。
元気そうなEちゃん
２人で大はしゃぎ
時間は経つのが早かったです。
3つ上のお姉ちゃんは、あれからグレてしまったのを聞きました。
大好きだったバレエもやめて…
将来はバレリーナになる夢があったのに…
Eちゃんと会ったのはそれが最後でした。
電話番号も変わってしまい、住んでる場所も…
手紙を書いても戻って来てしまいました。
今でも探してます。
どうしても会いたいと思う親友。
いつか会えることを信じてるからね。
えみちゃん。
天国にいるえみちゃんのお父さん、赤出汁美味しかったです。
楽しい思い出をありがとうございました。
石原まい子