■コーチングやってて悲しい言葉 | 石田久二公式ブログ

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こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。


コーチングをやっていて、今まで一番悲しかった言葉は何か。それは、


「おかげさまで、私には必要ないことがわかってよかったです」


なることば。これはコーチングの根幹にかかわることであり、例えばセッション時に次回まですることをコミットして頂くことがしばしばあります。と言うか、毎回がそうです。何をするかについて、提案することはあっても、強制することは決してありません。つまり次回までのタスクは、自分で決めたことなのです。


であるにも関わらず、できないことがある。それはあるでしょう。100%が望ましいのは確かですが、人間ですので、様々な不可抗力があることは否定しません。しかしそれが、しばしば「現状維持」の抵抗によって妨げられることがあり、言い換えると、単に苦しくなってやらないケースもあります。


それもまた、私は否定しません。しかし、そこはしっかり自分に向き合って頂きたいと思うのです。できないならできないと言う。それはとても勇気の要ることでしょうが、あえてその勇気に立ち向かうことがエネルギーに転換されることだってあるのです。


具体的に言うと、「次回までの自己PR文を5種類作ってくる」なる宿題を課したとして、本当に粘って粘って3種類しか作れなければ、それは自分の徹底の弱さをしっかり認めて、それでもなおその壁をぶち破るエネルギーにして欲しいのです。


それを、「私は私らしくありたいので、自己PRは必要ないことが改めてわかりました、ありがとうございます」などと言われたら、もう返答のしようがありません。お互いに傷付かないレトリックなのでしょうが、これでは何の成長もありません。さらに恐ろしいことに、このレトリックはあらゆることに通用するもの。


「早起きできないことで、睡眠の大切さに気が付けた」
「勉強が続かないことで、別の何かがあることに気が付けた(何かは見つからないが)」
「筋トレが続かないことで、筋肉に負荷をかけるのはよくないことに気が付けた」


など、どんなことにでも当てはまります。私の知り合いの経営コンサルタントは、弁護士の署名つけた契約書を取り交わし、約束を破った場合は罰金規定まで設けているそうです。コーチングにおいて、そこまでしばりつける必要があるかどうかはまだ判断できませんが、自分で「気づき」と言って逃げるのではなく、少なくとも契約期間はしっかりと取り組んで頂きたいと思うのです。今年になってからはそのようなクライアントさんはいらっしゃいませんが。