「笑う脳」茂木健一郎著 | 石田久二公式ブログ

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脳科学者が「笑い」をテーマに語る。


「笑い」とは「死を弔う」ことと同様、人間にしかない所作である。


それだけに「笑い」はベルグソンやフロイトを初め、哲学上、心理学上の大きなテーマとして論考されてきた。




興味深かったのは「笑い」は「攻撃本能」を緩和するために生じたという点。


欧米はジョークの文化であり、政治家やリーダーは人前で演説をする際など、ジョークの一つも言えないようでは評価が下がる。


一方、日本の政治家を見ればわかる通り、仏頂面で原稿を読むだけの場合がほとんど。ただ、それは大衆の側にも原因があり、公式な場で笑うことは不謹慎とされているからでもあろう。


この違いが示すのは、欧米は歴史的に好戦的な民族であったのに対し、日本は争いよりも平和的解決を好む。から。つまり欧米で「笑い」が発達しているのは、その「攻撃本能」を無意識のうちに緩和しようとしているからだと。


例えばお笑いの神様、松本人志の場合も、「笑い」の根底にあるのは「怒り」であると本人も公言しており、確かにうなずけるものがある。


また、男女の比較で言えば、攻撃的なのはやはり「男性」の方であり、確かに小さい頃から笑わせるのは男子であり、笑うのは女子だと言う図式があった。


笑いを取れる男子は人気者になるが女子はそうではない。むしろ男子が笑わそうとすることに素直に笑ってあげられる女子がモテルのであった。




「笑いは脳のマッサージ」だと著者は述べているが、人間は「脳(前頭葉)」が発達したからこそ、「笑い」が必要になったのかもしれない。


本書もそうであるが、「笑い」についての研究は19世紀初めの哲学者ベルクソン、20世紀初めの心理学者フロイトなど、時代の変化の時に積極的に研究されているようだ。


これもまた、「時代の変化」というストレスにある中、「笑い」がそれを緩和するための必然なのだろうと言う推測は興味深い。




ちなみに本書では著者のブログから「閑話休題」というコラムが4篇掲載されているが、どれも非常に興味深く読ませてもらった。こんなことがあるのかと、大きな学びと気づきを得た。そしてそのブログをアップした日付は4月1日であった。



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・笑いは脳のマッサージである

・笑いには闘争本能を緩和するためにある

・笑いは生前葬であり、死を弔うことと同様人間特有の営みである

・笑う脳には福が来る



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