介護職への転職を成功させるためにはどのようなことを抑えておくと良いのでしょうか。最重要ポイントは勤務時間です。介護の現場で働く場合、勤務時間がどのようになっているかを把握することにより、無理なく介護職を続けられるかどうかが変わります。

担当者と面談する際には、勤務時間の詳細を把握しておくようにしてください。具体的には、残業はあるのか、あるとしたら何時間程度か、休みは希望通り取得できるか、それとも施設の都合を優先させることになるのか、シフト制の場合、どの程度希望を尊重してもらえるのか、といった点です。

通勤についても、前もって把握しておきましょう。施設によっては公共交通機関以外の通勤は認めない、といったところもあるので、例えば車やバイクでの通勤は可能か、公共交通機関を利用する場合、交通費はどの程度まで保障されるか、といったことを把握しておきましょう。自転車での通勤をしたい場合、駐輪場などはあるのか、車の場合は駐車場は利用できるのかといったことを確認してください。

給与についても事前にしっかりチェックをしておきましょう。求人情報をチェックする際、給与の額は希望通りかどうか、ボーナスは何か月分かといったことを確認します。各種手当についても確認してください。面接の際には、昇給制度について率直に尋ねることをおすすめします。

人間関係も大切な要素です。転職サイトなどには口コミ情報があるので、情報を参考に人間関係がどうなっているのかも確認してください。人間関係が複雑だとストレスが溜まるため、人間関係でトラブルを抱えにくい職場を選ぶようにすると良いでしょう。

介護職の給与についての世間のイメージでは、仕事の内容の割に安いという印象をもたれています。これは、あながち間違いではありませんが、正確な介護職の給与の実態を表しているとも言えません。実際には、一括りに介護職といっても、ヘルバー、ケアマネージャー、介護事務などその仕事内容による違いも大きい上、所属している介護施設や介護事務所の形態によっても変わってきます。

ただし、介護職員の給与のほとんどは、国からの介護報酬で賄われていますので、介護事業者が処遇改善加算や特定処遇改善加算といった資格を取得しているかどうかが重要となります。

介護業界は、働き手の需要と供給のバランスが悪く、深刻な人手不足であることが問題視され、政府によって2012年に介護職員のための賃金向上および労働環境改善のための介護職員処遇改善加算が運用開始され、2019年には勤続10年以上となる介護福祉士を対象とした、介護職員特定処遇改善加算が運用開始されています。

さらに、2022年に介護職員処遇改善臨時特例交付金という制度が新設され、介護職や介護福祉士の賃上げを目的とし、介護職員処遇改善加算のI~IIIのどれかを取得している介護事業者が対象の報酬加算となっています。

介護職員処遇改善加算、介護職員特定処遇改善加算、介護職員処遇改善臨時特例交付金などは、すべて介護報酬に組み込まれる加算であって、どれも介護事業者が取得した資格に対して国から支払われるものです。介護事業者がきちんとこれらの資格を取得していれば、働く介護職員の給与は、おのずと上がっていきます。「人と給料の話はしづらい」という方は【いまより給与アップ!介護職で高給与を目指そう】を一読してみはいかがでしょう。