平将門公の首塚は関東地方を中心として全国各地に分布していますが、とりわけこの大手町にある首塚が有名なのは、現在でも“祟り”があるからといえるでしょう。

 

もちろん祟りがあるのは塚に不敬な振る舞いをした人に対してなのですが、それほどはっきりした“しるし”が現れるということは、反対に首塚を熱心に崇敬する人に対しては強力に守護してくれるともいえそうです。

 

以前のブログで書いたように、職場の先輩が不敬な振る舞いをして祟りを受けた話を聞いてから、怖くて将門塚を敬遠していましたが、先日意を決して参拝してきました。

 

 

 

 

地下鉄大手町駅の出口から地上へ出ると、目の前に建設中の高層ビル群があり、その敷地の一角に将門塚はありました。

 

 

 

 

休日のためか参拝者が途切れることなく訪れていて、怖い雰囲気はあまり感じられません。

 

 

 

 

順番に並んでいる参拝者たちは皆さん敬虔な面持ちで、塚の前に来るとお賽銭を入れ、手を合わせています。

 

なかには花を供え、深い祈りを捧げ、境内を竹箒で掃き清める崇敬者とおぼしき女性も見受けられ、将門公の愛妾だった桔梗御前が現代に生まれ変わってきたような錯覚にとらわれました。

 

 

関東大震災前は高さ約6メートルの築山風の小高い塚があったようですが、現在は板碑の祭壇になっています。

 

祭壇の両脇には蛙の置物が多数奉納されていて、よくその理由が取り沙汰されていますが、祭壇に向かって右側の蛙が大きく口を開け、左側の蛙が口を閉じているのを見ると、これは狛犬ならぬ狛蛙なのではないでしょうか?

 

ご祭神を守護するために神社の入口に狛犬が置かれるのが一般的ですが、なかには稲荷神社の狐や三峰神社のオオカミのように狛犬以外の神使が置かれている神社もあります。

 

筑波山神社のガマガエルもそうですが、将門塚の蛙もきっとご祭神の何らかの性格を示唆しているのでしょう。

 

 

 

 

将門塚を出るとすぐ右手に皇居のお堀が見えます。

 

中世の江戸館の時代は将門塚とお堀の間は入江になっていて、海が深くまで入り込んでいました。