その当時一番人気だったのが、天翔る大鷲の視線から見た鳥瞰図である「深川洲崎十万坪」でした。

広漠かつ荒涼とした雪原のかなたに雪を頂いた双耳峰の筑波山が、不気味な姿を浮かび上がらせています。


 

『謎解き広重「江戸百」』(集英社新書ヴィジュアル版)の中で原信田実氏は、この山が同じ双耳峰として描かれていた、釈迦が法華経を説いたとされる霊鷲山をイメージしているのではないか?という説を述べています。

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