立石様は霊異ある石であり、熊野神社のご神体は神様の依り代であるという性格の違いはありますが、武蔵野台地と下総台地の間に広がる東京の下町には、このように石を信仰の対象として崇める事例が多いようです。

石の信仰は縄文時代以降のどの時代にもみられますが、立石様の場合は古墳
の石材として利用されていた「房州石」と呼ばれる石質と同じなので、古墳時代の後期には作られていたと推測され、一方の熊野神社のご神体は、考古学者の
鳥居龍蔵博士によって縄文時代の所産ではないかと言われています。