確率の問題は、数Ⅰのセンター試験の問題によく出題されます。
しかし、確率を苦手としている人も多く、最も得点差が出やすい範囲の1つです。
確率が苦手な人には、共通する4つの原因があります。
今回の記事では、その4つと正しい求め方を数学が苦手な人にも易しく解説します。
この記事を読むと自分がどうして確率の問題を間違ってしまっているかの答えが出ると思います。
是非、確率の問題で間違いをなくしていきましょう!
こんにちは、リクトです!
今回は確率です!!
早速4つの要因について見ていきましょう!
1.同じ形のサイコロやコインなどを区別して考えられていない
2.組み合わせと順列がごっちゃになってしまっている
3.排反・独立には注意しよう
4.いつも「真面目な」解法で正面突破しようとする
以上の4つです!
この4つさえ押さえていれば、センターレベルの問題は大丈夫でしょう。
今回は前半2つを紹介していきます!
1.同じ形のサイコロやコインなどを区別して考えられていない
同じ形のサイコロやコインを区別して考えられていないことです。
これは、確率を苦手とする人が最も間違えてしまっている考え方です。
具体的な問題を見ていきましょう。
Q1. リンゴ2つとバナナ4つの入ったかごから3つの果物を同時に取り出すとき、リンゴ1つとバナナ2つを取り出す確率を求めてください。
<よくある間違い>
果物を取り出した時に考えられる組み合わせは・・
{ リンゴ、リンゴ、バナナ }、{ リンゴ、バナナ、バナナ }、{ バナナ、バナナ、バナナ }の3通り。
だから、{ リンゴ、バナナ、バナナ }になる確率は1/3...
これは大きな間違えです。
もしこれが正解だとすると、バナナが100個の時も200個の時も答えは1/3になってしまいます。
リンゴ2個とバナナ1000個の時に{ リンゴ、バナナ、バナナ }の組み合わせを3回に1回引くことは出来ないことは明らかに分かります。
確率において、大事なのは例え同じバナナやリンゴだとしても、バナナ1、バナナ2、バナナ3…のように1つ1つを区別することです。
つまり、確率を解く際は、バナナ1もバナナ2も別物であると考えてよいのです。
なぜ、同じものであるバナナをバナナ1、バナナ2、バナナ3…のように1つ1つを区別する必要があるのでしょうか?
順列や組み合わせといったいわゆる「場合の数」の問題と、「確率」の問題とで扱いが変わってきます。
これは計算の問題として捉えると、訳が分からなくなります。
順列や組み合わせのそもそもの考え方に戻ってみましょう。
まず順列や組み合わせでは、
要するに「実際に並べてみて、新しい並べ方だと思ったらそれを数える」ということですよね?
要するに「新しい並べ方」に見えなければ、それはすでに出てきたパターンとみなされてしまい、新たに数えられることはないわけです。
例え2回目に出てきたそのパターンがバナナ1とバナナ2が入れ替わっていたとしても、それは見ている側には区別できません。
ですから「区別せずに」同じパターンだと考える訳です。
一方、確率の場合は今度は「そのパターンの頻度」が知りたい訳ですね。
そうすると、同じパターンに見えても実際は球が入れ替わっているのをすべて同じものと思う訳にはいきません。
だって2つ同じパターンがあるときは、実際には1つしかないときよりも2倍出易いはずですよね。
でも区別しないとそれが無視されてしまいます。
だから区別は絶対必要なのです。
それでは、問題の解答を見ていきましょう。
< 解答 >
まず、確率の定義の分母となる「全ての場合の数」を求めます。
果物6個の中から3個を選ぶ組み合わせは・・
次に、「事象Aの起こる場合の数」を求めます。
リンゴ2個の中から1個、バナナ4個の中から2個を選ぶ組み合わせは・・
よって確率は・・
になります。
このように、確率は区別することが最も大切といっても過言じゃありません!
では2つ目も見ていきましょう!
2. 組み合わせと順列がごっちゃになってしまっている
確率の問題では、定義の分母である「全ての場合の数」を順列で求めた場合は、
「事象Aの起こる場合の数」も順列で求めなくてはなりません。
組み合わせの場合も同様で、「全ての場合の数」を組み合わせで求めた場合は、
「事象Aの起こる場合の数」も組み合わせで求めなくてはなりません。
「順列」と「組み合わせ」が曖昧な方のために「順列」と「組み合わせ」の違いを少し見ていきましょう!
2つがごっちゃになって、間違えをおかしてしまう人がいます。
まずは、順列です。
異なるn個の中から異なるr個を取り出して1列に並べる数のことです。
5人(A、B、C、D、E)の中から2人を並べる場合を考えましょう。
すると、並べ方はAB、BA、AC、CA、DE、ED…のようになります。
全部数え上げれば分かるのですが、合計は20通りになります。
ここで、ABとBAを違うものとして考えることがポイントです。
ちなみに順列は記号Pで表します。
次に組み合わせです。
異なるn個の中から異なるr個とる組み合わせの数のことです。
5人(A、B、C、D、E)の中から2人を選ぶ組み合わせを考えましょう。
この時、{AB}、{CD}、{AC}…のようになり、合計は10通りになります。
ここでなぜ、順列の総数の半分になるのかというと、{AB}と{BA}のチームも結局は同じチームですよね。
だから、これを組み合わせは1つと計算するからです。
ちなみに組み合わせは記号Cで表します。
さて順列と組み合わせの違いが分かったところで
それぞれの場合を解いてみましょう。
【順列の場合】
Q2. 男4人、女3人の計7人を並べるとき、両端が2人とも女子である確率を求めてください。
< 解答 >
「全ての場合の数」である7人の並べ方は・・
両端が女子となる時、両端の二人の並べ方は
間の5人の並べ方は・・
よって求める確率は、
になります。
【組み合わせの場合】
Q3. 赤、青、緑のボールがそれぞれ4つずつあり、どのボールにもA~Dの番号が書かれています。
この12個のうち3個取り出したとき、次の確率を求めてください。
(1)全部色が同じになる場合
(2)色と番号が全部異なる場合
<解答>
(1)12個のボールの選び方は・・
よって、全部色が同じになる場合は・・
になります。
よって、色も番号も全部異なる確率は・・
になります。
どうでしょうか?
順列と組み合わせの違いは分かりましたでしょうか?
この順列と組み合わせは確率の中で一番最初の鬼門です。
ここさえ乗り切ればセンターの確率も8割近くは克服したようなものです!
ぜひ確率も得意分野にしていきましょう!
では、今から早速チャートを出して順列と組み合わせの例題を1題ずつ解きましょう!
少しでも違いが分かればそれでいいです。
これからどんどん演習していきましょうね!
さて今回は、確率が苦手な人の4つの要因の初めの2つについてお話いてきました。
次回は残りの二つについてお話しできたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。