SIERA LEONE 2013 Spring collection #4 前編 | ISBIT DAIKANYAMA

SIERA LEONE 2013 Spring collection #4 前編

こんにちは。


SIERA LEONEの渡辺です。



今日は風が強く、暖かめのアウターを着ていても
少し寒さを感じます。
皆様、風邪等引かれてないでしょうか?

先日ちょっと寄った家の近くの都立公園。


ISBIT Diary


すでに紅葉が始まっていて、なんだか少し切なくなりました。





今回は 2013 spring collection のリリース
第4章 <前編>をお送りします。


第4、5、6、7章は全て
1日2回
前編、後編に分けてお送りします。





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04: Prunus <前編>



「透きとおったものが美しく見えるのはなんでだと思う?」


大好きな母さんが、よく僕に聞いた。
小さかった僕は、決まってこう答えるんだ。
「僕たちにはないから!」


たしかその日は、桜が満開だった。


僕は箱に、切りとった小さな桜を入れて
周りには色とりどりの花を敷きつめた。


真ん中には道を作り、道の両サイドはガラスの破片を並べた。
破片はたくさんの光を反射していたから、
部屋にオーロラが浮かんだようだった。


それは 僕だけの小さな庭。僕だけの特別な箱。



小さな桜の花びらに赤い点が付いていて
気づくと、薬指が切れていた。


無意識に指を舐めた。懐かしい味がする。


すると突然、トンネルをジェットコースターで突き抜けるように
記憶が高速で通り過ぎていく感覚が全身を包んだ。
トンネルには配列がバラバラの整わないアルバムたち。


どこからか踏切の音がする。
電車が通る音、
人々が行き交う声、
車のクラクション。

どんどん大きくなっていって、
耳を劈くような耳鳴りが音楽を織りなす。

誰かの優しい声がする。

壊れたカセットテープのように、
スローモーションの声が重量を増していき、

耳鳴りの様な音楽と共に
聴覚を支配していった。



心臓の鼓動が共鳴し、
脈が速くなっていくと次第に呼吸の仕方がわからなくなった。




どうやって僕は、空気を吸ってた?





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昨日のガールズアワードはとても熱気があり、ISBITも
たくさんの方々のご協力の元、華やかなステージになりました。
モデルさんに着て頂きランウェイを歩く姿は
とても感動致しました。




本日夜には、“04: Prunus <後編>”をアップ致します。
楽しみにしていて下さいね。