平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba -524ページ目

刀が景色に同化 補足

『林修の今でしょ!講座』



の中で、僕の登場シーンで、刀の同化を意識した形を披露していることに気付かれた方は一体何人おられるでしょうか?


最初に披露した突きからの真向斬りの形ですが、元は無雙直傳英信流の『門入』と言う奥居合立業形の一つをテレビ撮影用にアレンジしたものです。

半身を切ると同時に水平に抜き出される刀。けっして右手では抜いていません。右手で抜くと切先は身体の中心から外れた場所に位置し、突きや防御の動作に遅れをとるからです。

ではどうやって抜くの?

今でしょ!

じゃなくて、身体捌きでしょ!


ビデオ録画されている方、コマ送りでしっかりとご覧になってください。抜き放たれた刀は、部分的には見える箇所もありますが、紋付衣装や周囲に同化して見えない。或いは大変見辛くなっていることに気付かれることでしょう。
解りやすいように敢えてゆっくりと抜いていますので繰り返しご覧になってみてください。

実は刀が周囲に同化して見えないと言う現象は、光が強ければ更に効果的であり、収録時は生憎の曇りでしたので、僅かに刀の姿が見てとれますが、晴天の下ではほぼ完全に目視できなくなります。

黒田鉄山氏の動画で、『二回目どうやって抜いた?』と、神業的扱いをされているものがありますが、あれがまさに刀が体育館の強い照明によって周囲と同化し、抜き放つ際の刀が見えない現象の典型例です。

抜刀が速いから見えないのではないのです。実は。

ですから、以前からあの動画を絶賛する人々、特にその中でも居合を嗜まれている人を見て、

「あぁ、何も刀のこと、武術の理論を理解できていないのだな。」

と歯がゆくさえ思っていたのです。

ただし、黒田氏が意識して行った結果なのか、たまたま偶然の産物かは知りえませんが。



光や闇、周囲の景色を利用するのは、特定の流派に限られたことではなく、戦闘を意識すれば自ずと誰もが辿り着くところです。

軍隊の迷彩服、戦車や戦闘機の迷彩塗装、レーダーに反応しないステルス等々…

今でも特殊部隊の訓練では、光や闇、周囲の景色に溶け込む訓練を行っています。


刀の景色同化も、戦闘を経験した先人達が辿り着いた答えなのです。

鞘を見れば刀の長さが読めると思うのも大間違い。

古い拵を見ると、長い鞘に脇指や短刀、脇指に見える拵に大刀が納まっていたりと、思考を凝らした拵が多々残されています。

現在主流になっている縦納刀(刃を上に向けて納める)にしても、古流は長さを読ませぬため、切先が入るのを見せはしませんし、横納刀(刃を横に向けて納める)は完全に刀を同化させ、横からの敵に刀の長さを読ませない目的があるのです。






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