北京の空港にて愛刀を折る
北京の空港に到着すると、いかにも我のつよそうな税関職員が、模擬刀を出して見せろと言ってきました。
門弟の柳原君の模擬刀は廉価品で稽古に使い込んでいるのでみすぼらしい。
一方、僕のは特注品。金具もよいものを使っていたのですが、税関職員が僕の模擬刀に関しては没収だと言って手から離さない。
いくら模擬刀だと説明しても、柳原君の模擬刀より刃先が鋭いからダメだの一点張り。
一時間ほど粘ってみたのですが、どうにもしようがなく、現地の門弟曰く、自分が欲しいと思った物を難癖つけて没収しては裏で換金する者がいるのだとか。
※副業としてリサイクルショップを営む職員もいるのだとか。
今回の職員はそのタイプに間違いないとのこと。
鋭利なのがいけないのなら、目の前で刃先もっと潰しますよと提案しても、刃先を加工してはダメだと、なんか妙な雰囲気。いかにも現状のまま欲しいと言った様子がうかがえました。
そうこうして頭を悩ませていると、その職員の姿が消えたので、別の職員に、刀身は提出するから拵は返して欲しいと話したところ、すんなりOKがでました。
さっきの職員は拵も返さないと一点張りだったのにです。
そろそろ刀身交換をしたいと考えていましたし、目釘抜小槌を持参していなかったので分解することも叶わず、更には難癖つけられて没収された模擬刀を換金の道具に使われるのも悔しかったので、目の前で自ら折りました。
長年使い込んだ道具と、このような形でお別れするのは不本意であり、悔しくて仕方ありません。
海外に居合稽古用模擬刀を持参される方は、極薄刃仕立の模擬刀ではなく、厚刃仕立のものをご用意されることをお勧めいたします。
