2016年のうちに書こうと思っていたのですが、気付けば2017年になってしまいました…。
今年もよろしくお願いします。
以下、お正月の暇潰しにでもお読みください。
2016/11/29に行われた土曜日と人鳥とコーヒーのレコ発&5 Anniversary Live「Ljósmóðir」にご来場くださった皆さん、共演の霜降り猫、odayakanakurasi、ありがとうございました。
今回はその日より販売開始となった1st mini Album「Ljósmóðir」をレコーディングエンジニアの視点から少し語ってみたいと思います。
vatn / 土曜日と人鳥とコーヒー
ニーナ / 土曜日と人鳥とコーヒー
1.
このアルバムを作るにあたり一番最初にBa.氏家さんが言ったのが「ギターをリアンプしたい」ということでした。
リアンプというのは先にエフェクターをかけない素の音をラインでレコーディングし、
あとからPCでライン音を再生→リアンプボックス→エフェクター→アンプ→マイクでレコーディングし直す手法です。
土曜日と人鳥とコーヒーの特徴として"ギター1本で同時に最大5回線鳴る"というものがあります。
今まではレコーディング時は1回線ずつ弾いて重ねていました。
しかし、それではステレオ感は出るものの本来ライブで出している"同時に最大5回線"は再現出来てはいませんでした。
そこで今回試みたのがリアンプです。
ライン録りしたギター1本をそれぞれのエフェクターやアンプを通して鳴らしレコーディングしました。
このおかげでズレのない"ステレオなのにモノラルの壁"感を出せました。
音源を聴いてもらえればわかりますが、右や左や真ん中やらで鳴っているギターの音はそれぞれ違います。
空間系全開だったり、歪みや空間系が混ざっていたり、ドライな音のみだったり。
でも、元は全く同じ1本のライン録りしたギターなのです。
なかなか面白いことになってます。
曲によってはこのライン録りした音も混ぜて使ってます。
音探しをしながら聴いてみるのもいいかもしれませんね。
2.
前述の通り、土曜日と人鳥とコーヒーはギターの音にかなり拘っています。
なので、次に考えたのが「聴く人をそのギターの音にどうやって溺れさせるか」でした。
そこで今回実行したのが"ドラムを限りなく引っ込める"でした。
ドラム引っ込めたことにより、細かいところで何を叩いているか聴き取れる音量まで上げると…気付けば周りの轟音ギターに飲み込まれている、という寸法です。
これは恐らくサポートドラム兼レコーディングエンジニアだからこそ出来たことだと思います。
普通のバンドでこんなにドラムを引っ込めたら怒られます。多分。笑
なので、最近流行りのアタック感のあるドラムとは真逆の音作りになってます。
モノラル感を出すギターといい、時代に逆行してますねぇ…。
3.
今回、マスタリングはLANDR( https://www.landr.com/ja )というネットサービスで行いました。
マスタリング用のAIです。ここだけ時代の最先端です。笑
こちらがアップロードした音源データをAIが自動で解析してマスタリングを施してくれるという…どういう原理なのか最早理解不能なシステムです。
しかし、人間がロボットに負けるにはまだ早い!
LANDRでマスタリングされた音源を更にこちらで弄りました。
その弄り方が2パターンあって、この「Ljósmóðir」には2パターンの音源が混ざり合っています。
どの曲がどのパターンか…それもまた気にしながら聴いてみると面白いかもしれません。
こうやって作られたこのアルバム。
ライブ会場でだけでなくネットでの通販やデータ販売もしています。
またyukino chaosのsickさんが運営するchaos recommend ( https://twitter.com/chaos_recommend )
でもCDを取り扱ってもらってます。
1/26、27には関東にツアーにも行きますので、機会があれば是非手に取ってみてください。
詳細はホームページへ
土曜日と人鳥とコーヒー
isano13rec