今から約2年前。
当時組んでいたバンドのライブが近くなった頃、ネットで知り合った方が「ライブ絶対行きますね!」と言ってくれた。
彼女が住んでいたのは山陰。そこから車で来てくれるとの事だった。
本当はすごくすごく嬉しいのに、
直前になって怖じ気づいてしまった。
つまらない言い訳めいた事を言っているうちに、彼女から音沙汰がなくなってしまった。
怖じ気づいた理由はいくつかあったんだけど、どうしてあの時もう少し胸を張れなかったのか…と今でも悔やんでしまう。
はるばる車で何時間もかけて来てくれる方をもしもガッカリさせてしまったらどうしよう…という不安感に襲われてしまったのだった。
そもそも、プロでもなんでもない(しかも一度も聴いてもらった事すらない)自分の歌を、わざわざ地方から時間やお金をかけてまで聴きにきてくれるという事に驚いた。
とてもとても 嬉しい事なのに
とてもとても 怖かった。
…あれから二年。
かつての素晴らしい相棒と、メンバーに恵まれ、再び新たなバンドを組める事となった。
ボーカル人口の多い中、例え“たまたま”だったとしても、自分を選んでくれた事や縁に幸せを感じるし、感謝でいっぱい。
そしていま、
ジブンの歌を聴いて好きになってくれたという方が、はるばる四国から「ライブに駆けつけたい」と言ってくれている。
なんてありがたいんだろう。
今度は絶対に逃げないようにするよ。
ホントたった一度きりの人生で、たった一度きりの事かもしれないもの。
こんな自分のつたない歌を、毎日聴いてくれているらしい。
そんなこともあるんだなあ。
なんだか不思議で、ちょっと照れくさくて、
でも、めちゃくちゃ嬉しい。
本当はその歌も、何度も失敗しながら歌った中の1テイクだったりするんだけどね。
だけど、今度はちゃんと向き合って、
良い歌や音楽をメンバー全員で届けられるよう、精一杯の努力をしたいと思う。
そんな、音楽の話でした。