◆◆ 注意 ◆◆
タイトルに『ブラヴィッシーモ』とありますが
ディズニー(TDSのショー)とは全く繋がりのない
イタリア旅行関連の記事です 

ドイツと言っても
ドがつく田舎暮らしの私 

都市圏に見られるトラムや地下鉄といった
便利な交通手段はなく
電車もせいぜい1時間に1本
バスは物によって数時間に1本と
渡独2年目にして
ドイツ国内で公共交通機関を利用したのは
スイスはチューリッヒ空港へと向かう
電車での往復 1度きり
日々の生活
車が必須となっております

(✳近頃のガソリン代高騰、また
排気ガスによる地球温暖化のことを考えると
車もなぁ、なんて感じざるを得ませんが
我が家はまだエコカー導入できておらず
)

さて、2月に
イタリア・ヴェネツィアを訪ねた際のこと
ビーちゃんと私は
①滞在先のホテルのある隣町メストレと
ヴェネツィアを結ぶ公共バス
②ヴェネツィア市内に入ってからは
ヴァポレット(水上バス)と
旅行中、度々 公共交通機関を利用
(✳ご存じの方も多いとは思いますが、ヴェネツィア市内
車の進入は禁じられています
)

そんなヴァポレット乗船中の
とあるほっこりエピソードです

ヴェネツィア市内、そう広くはないものの
階段がたくさんあったり
小径に迷って歩き疲れてしまったり
やはり時々利用したくなるのが
ヴァポレット

かと言って、ヴァポレットはヴァポレットで
時間帯や乗船場所、行き先によっては
大変混み合い、あっという間に満席
(✳夕方、サンマルコ広場周辺から乗船して
サンタ・ルチア駅/バスターミナルのあるローマ広場へ
向かう船が特に混雑していたように思います
)

スピードはなくとも揺れはそこそこあるので
バランスの取りにくい妊婦の身には
立ちっ放しは堪えます 

と、ヴェネツィア旅行1日目の夕方
ホテルへと戻るべく
ドゥカーレ宮殿正面よりヴァポレットに乗船
先述の通り、タイミング的に
見事ほぼ満席状態

唯一空いていたのが優先席で
恰幅の良いおじいさまお2人の間の
ちょっぴり狭めのスペースのみでした

最初はしばらく
立っていようかとも思ったのですが
思いのほか揺れる船内にお腹の張りが強まり
加えてサンマルコ寺院での一件
ビーちゃんからも
「あそこ座りなよ」との一声

2月の時点では妊娠中期とあって
ロングコートのファスナーを締めていては
傍目からは絶対に気付かれないであろう
妊娠の事実

この時ばかりはもはや遠慮もしていられず
コートのファスナーを外して
お腹ドーン
地元の方と思われるおじいさまたちに
英語が果たして伝わるだろうかと
ジェスチャーを交えつつ恐る恐る伺う私
「すみません、妊娠していて辛いので
お隣失礼してもよろしいですか?」と 

すると、私が通りやすいよう
快く座席の前を開けてくださった
通路側のおじいさま

(若干うろ覚えではありますが)
優先席の座席は以下のように並んでおり
空いていたのが□の所です

〔 優先席 〕(↑進行方向)
窓 ■ 通路 ■ 窓
窓 ■■■ 通路 ■■■ 窓
窓 ■□■ 通路 ■■■ 窓
***********************************
〔 満席の一般席 〕
窓 ■■■ 通路 ■■■ 窓
窓 ■■■ 通路 ■■■ 窓
・ ・
・ ・
・ ・
その後、次の次の駅に到着
杖を片手に乗っていらしたおじいさま
私を見るなり大きな声で
○#%&☆△▽@!?
○#%&☆△▽@!?
○#%&☆△▽@!?
(イタリア語)
雰囲気から察するに
「なんでお前なんかが座ってる!?
ここは優先席なんだぞ!?
ちゃんとマーク見てるのか!?」
と ご立腹

前の座席でお腹は隠れており、座っていれば
私が妊婦とは決して判らないはずで
パッと見 健康そうなうえに
アジア人=若く見られがち(?)

(✳優先席にはマタニティマークも描かれています
)

おじいさまのあまりの形相に
「すみません、妊娠していて…」(英語)
と言って席を立とうとした私でしたが
まさかまさかで間髪入れず
隣に座っていらしたおじいさまお2人ともが
イタリア語で私をかばってくださり
( 私が妊娠している旨 伝えてくださったのだと
)

次の瞬間、先ほどまでとは一変
杖を携えたおじいさま
満面の笑みを浮かべて私の手を取り
「オ~ッ!!
ブラヴィッ
シーモ~!!」
〔✳ブラヴィッシーモ(bravissimo)はイタリア語で
ブラヴォー(bravo)の最上級形
すなわち「最高だ」「素晴らしい」の意味〕
そして私に「君は座っていなさい」
といったジェスチャーを示すと
上の図の■に座っていた男の子のママが
子どもに席を立つよう言って
そのおじいさまに席を譲りました

〔 男の子は小学2-3年生くらいだったでしょうか
ご家族でフランス語を話していたのですが

僕は立たなきゃいけないの?」

あなたは元気なんだから立っていられるでしょ」
といった会話が聞こえてきました 

(僕~、ゴメンね
by Isabelle)

もしかしたらフランス語圏にお住まいの
スイス人ファミリーだったのかもしれませんが
フランスはよく妊婦さんに優しい国と言われます
ママンのお心遣いにも感謝です
〕

ちなみに、この時
ビーちゃんはどうしていたかというと
船内混雑につき、優先席からは少し離れた
後方のドア付近へと追いやられ
一連の流れには気付かなかったそう
(笑)

さてさて、イタリア・ヴェネツィア紀行
本日をもって完結です 

最後までお付き合いくださり
Grazie mille

(:どうもありがとうございました
)
