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機能性(心因性)勃起障害 [編集
]
解剖学的に勃起機能に異常は無いが、何らかの心理的要因などにより満足な勃起ができない状態[2]
。
器質性勃起障害 [編集
]
勃起に関わる各神経、組織、血管系(血管性勃起障害、具体的には海綿体にまつわる動脈・静脈の狭窄、閉塞、またはその為の筋肉の弛緩異常)、或いは陰茎自体の異常(陰茎性)などの解剖学的な問題、もしくは内分泌障害によって満足な勃起を得られない状態[2]
[11]
。陰茎折症
や脊髄損傷などの各種外傷、手術、及びそれらの後遺症によることもある[12]
。
混合性勃起障害 [編集
]
機能性勃起障害、器質性勃起障害が混在している状態。
薬剤性勃起障害 [編集
]
一部の薬剤の副作用として勃起障害が見られる場合がある。循環器系薬剤(アドレナリン作用薬等
)、一部の抗鬱薬
または向精神薬
等(抗コリン作用
他)のほか、なんらかの形でテストステロン
を抑制する薬剤、または一部のホルモン剤なども勃起障害を起こし得る[13]
。
危険因子 [編集
]
罹患率は年齢に比例して上昇し、明らかな外傷などによるもの以外の原因としては高血圧
、動脈硬化
、男性更年期障害
(ホルモン異常)が考えられている。その他、糖尿病
、心疾患
[* 2]
、末梢血管障害
、多発性硬化症
、鬱病
、腎機能障害
などの慢性疾患
が原因となる場合や、タバコの影響も懸念され[* 3]
、またアルコール
は短期的な影響だけではなく、量が過ぎれば長期的に勃起に悪影響を及ぼす虞がある[14]
。すなわち、概して生活習慣病
(成人病)の予防はED対策に効果的であると言える。その他、長時間の自転車
運転などで、会陰部の血管や神経を長時間圧迫する行為も危険とされる[15]
。
なお、前立腺肥大
に伴うその除去手術の場合、症状と術式によって一概には言えないが、現在は昔ほど乱暴な手術は行われることはなく、例えば内視鏡
を用いた「経尿道的前立腺切除術」であれば、勃起不全の発症率は10%未満と見込まれている。また直腸癌
の手術においては、自律神経を温存し得たケースに関しては勃起不全が17%、射精障害が20%にとどまったのに対し、拡大郭清にまで至ったケースにおいては勃起不全が66%、射精障害は100%にまで達する[16]
。
また、心因性のものとしては精神的なストレス、性に対する誤った教育環境、失業などによるストレス、性行為に対する自信喪失、特に新婚初夜
での性行為の失敗が原因となる新婚勃起障害(後述)、また、時としてホモセクシャル
などが挙げられる[17]
。
また近年では、テクノ症候群
[* 4]
[18]
に伴うEDも注目されている。
新婚性勃起障害 [編集
]
結婚後、器質(心因)的、機能的に明らかな異常がないにも拘らず、充分な性交渉を行えないものを新婚性勃起障害、または新婚インポテンス(この場合は性機能障害)とする[* 5]
。この場合、男性側ではなく女性側に原因が求められるものがある。本稿ではこの内、新婚性勃起障害について述べる。なお、結婚後一度も性交渉(膣
への陰茎の挿入)が無い場合を指して未完成婚
と言われる。
新婚性勃起障害は、婚姻直後からED状態、すなわち夫婦間の性交渉が行われない状態となるため状況は深刻であり、『内分泌疾患 精機能障害』によればサンプルは少ないものの、27.6%が離婚または離婚訴訟、或いは別居状態に陥っていた。また、患者の結婚の様式は見合い結婚
が25例、恋愛結婚が4例とされており、患者のほとんどが見合い結婚である。初婚年齢は一般より高く、また、童貞
であった率が62.5%であった。また、『性機能障害と未完成婚』によれば、性機能障害全般における調査の内、婚姻形態が明らかなケースでは、恋愛結婚16例、見合い結婚65例であった。なお、104例の性機能障害中、83例が勃起不全であった。
また、1987年
に行われた調査では「性機能障害」300例中のうち、一人息子が117例、長男が78例に上っていた。さらに末子が70例見られ、以上が全体の88.7%を占める。
多くの場合、その発端は心因性のものと疑われ、結婚に伴う各種のストレスや環境変化、夫、妻、もしくは夫婦双方の性的な無知や未熟などがその原因と考えられている。しかしながら、対応を誤ると結婚初期の性交渉の失敗の原因を誤解し、さらには妻や親の不適切な対応やそれに対する気遣いなどで症状はさらに悪化し、自身が性的不能者であると言う自己暗示
に陥ってしまう危険性さえある。失敗に対する誤認識としては例えば陰茎のサイズや包茎など、あるいは腰痛や過去の外傷などが挙げられる。妻の不適切な対応としてもやはり以上の様な誤認識をもとに夫婦が揃ってこの症状に対してのアプローチを間違っている場合があるほか、夫を性的不能者と決めつけてしまうケースも見られるとされる[19]
。
診断 [編集
]
上記危険因子を踏まえた上での問診が行われる。IIEF(国際勃起機能スコア)は15項目あり、外来での問診には適していないことから、IIEF5[* 6]
[20]
が用いられることが多い。また、エレクチオメーターなどの特殊な装具を用い、睡眠中に性衝動によらない自然勃起(夜間睡眠時勃起現象)が起こっているかを測定する夜間陰茎勃起測定がある(後述)。勃起障害が心因性のものであるのか、器質性のものであるのかの鑑別に非常に有用である。
また、陰茎に造影剤
を注入した後のX線撮影
や、アイソトープ
を用いて陰茎に流入する血液量を検査するなどの血管系の検査、その他神経系の検査、後述する塩酸ペパリンまたはプロスタグラジンE1の陰茎海綿体注入によるスクリーニングテスト
なども行われる。
夜間陰茎勃起測定 [編集
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2010年現在、夜間陰茎勃起測定法として、日本では以下の物が用いられている[21]
。
陰茎硬度周径連続測定装置 [編集
]
陰茎硬度周径連続測定装置(レジスキャンまたはリジスキャン、RigiScan(1985) / RigiScan-Plus(1994))では、本体に接続された2つのリングを陰茎の根本及び亀頭下部に装着し、夜間の陰茎の動きを詳細に測定、記録する。受動的な測定だけでなく、リングを能動的に締め付けて陰茎の反応を見ることもできる。更に同時に睡眠中の脳波や心電図他を測定する終夜睡眠ポリグラフなどがある。ただし正確な診断を行うためには入院して3夜連続で測定を行う必要がある。
エレクチオメーター [編集
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エレクシオメーターとも。陰茎に巻かれる巻き尺状のものであり、就寝中の勃起で陰茎がどの程度太くなったかを測定できる。陰茎径が2cm以上増えていれば正常と判断される。
スナップゲージ [編集
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スナップゲージ (Snap-gauge) テストでは、就寝前の陰茎に切断に要する強度が10オンス
、15オンス、20オンスの3本のプラスチックフィルムと、それに一体化したマジックテープ
を巻いておき、どのフィルムまで切れるかで勃起の強度を判断する。3本全て切れていれば正常とされる。
スタンプテスト [編集
]
陰茎に5枚綴りの切手
を巻いて就寝し、起床時にミシン目切れているかどうかを測定する。測定はあくまで簡易的なものであり、また、十分な勃起が得られなくとも、例えば寝返りなどで切れてしまうこともあるため、これのみを用いて有意義な診断を下せる性質のものではない。だが、患者に自身の勃起機能に一定のものがあるとの認識を与え、自信を付けさせる意味で用いられることがある。
治療 [編集
]
現在日本では、検査・治療薬ともに健康保険
適用されていない自費診療である。そのため、医療機関により金額は大きく異なる[要出典
]。機能性(心因性)のものについては、専門医によるカウンセリングも行われる。
投薬治療 [編集
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一時的に勃起を維持させる効能のある薬品としては、下記のものが知られている。いずれも厚生労働省
の承認を取得した処方薬で、薬価基準未収載。また、機能性(心因性)のものについては、症状に応じた薬剤が処方される。
用量では、バイアグラ100mg(本邦未発売)=レビトラ20mg(高齢者不可)=シアリス20mg と言われている[要出典
]。薬剤以外ではビタミンE
などの摂取が有効とされるほか、各種強壮剤にも精神的な効果が認められるとされる[24