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大麻由来医薬品で炎症性腸疾患(IBD)患者に希望の可能性

2005年8月4日

大麻が炎症性腸疾患(IBD)の一部症状を緩和するとの逸話的経験に関して調査した研究者により、この疾患に対して大麻由来医薬品が有効である可能性を示した。

Gastroenterology誌に本日(8月1日、月曜日)発表された調査結果によると、大麻由来医薬品はクローン病や潰瘍性大腸炎に苦しむイギリスの9万~18万人に希望をもたらすもので、疾患により傷ついた腸壁の修復作用がある可能性を伝えた。

クローン病と潰瘍性大腸炎(ひとくくりに「IBD」と称されることもある)では免疫機能が過剰反応をすることで腸管の様々な場所で炎症が発生する。

この炎症が原因で痛みや重篤な下痢、極度の疲労感や体重減少が発生することがあり、多くの患者は男女に関係なく15~25歳の間に確定診断される。

IBD患者のうち大麻使用者は大麻使用後に症状が緩和されると証言しており、大麻に含まれる分子が腸管に何かしらの影響を与えることを示唆している。

バース大学はバースにあるロイヤル・ユナイテッド病院の協力を得てこの現象を研究した結果、大麻に含まれる特定の分子に反応する受容体のある細胞が腸管の表面にあることを発見した。

健常者とIBD患者の両方において、大麻に含まれる分子があると反応することがわかっているCB1とCB2受容体を観察した。

その結果、CB1は健常者にも見られたものの、IBD患者におけるCB2受容体は疾患が進行するにつれて数が増えることがわかった。

研究者たちはCB2受容体の疾患時における出現について、免疫機能抑制との関連性があるのではないかとした。つまり、体が腸管を健常な状態に戻そうとする作用との関連だ。

もしこれが正しいとすれば、IBD患者に対応した大麻由来医薬品の開発を後押しすることになる。また、CB1受容体は腸壁修復を促す作用があることもわかった。

大学薬理学科と調剤科のKaren Wright博士によると「これはクローン病と潰瘍性大腸炎に対して選択的大麻由来治療法を使った戦略的治療への第一歩となる発見」とした。

「大麻に含まれるカンナビノイドと呼ばれる物質は体内で自然に生成される分子と非常に似通っており、これを活用した治療法が開発できれば、これらの疾患の影響から体が立ち直る手助けになります。」

通常、CB1とCB2は体内で自然に存在するエンドカンナビノイドと呼ばれる物質を探知して結合する働きをする。この受容体が特定の分子の存在を探知すると、一連の生体化学信号が発生し、その機能に応じて免疫機能反応のオン/オフを制御する。

「CB1とCB2受容体の本来の働きは体の様々な反応を仲介することにありますが、これらが腸内に存在するということは大麻由来医薬品を開発し、IBD進行をコントロールするために活用できることを示唆しています。」とWright博士は言う。

「研究では大麻使用がIBD患者に有用な作用を有していることが認められるものの、精神作用や法的問題のため、生薬大麻をそのまま治療に使うのは不適当となってしまいます。カンナビノイドシステムに的を絞った医薬品の開発が最良の方法かも知れない。」

大麻由来の医薬品は既にカナダで多発性硬化症患者に使用するための認可を受けており、サリスバリーに本拠を置くGW Pharmaceuticals社はこの分野を前進させているパイオニアだ。

研究はWellcome TrustとNHS研究助成金により資金拠出された。

潰瘍性大腸炎およびクローン病患者のケーススタディーはNational Association for Colitis and Crohn’s Diseaseから入手できます。電話番号は+44 (0) 1727 830038.

1)数値はNational Association for Colitis and Crohn’s Diseaseより。クローン病および潰瘍性大腸炎の患者数を正確に把握できる国内データベースはなく、数値はBritish Society for Gastroenterologyによって2004年に発表された推定値を使用している。