彼女の名前はネオ。わたしは敬意を込めて「ネオ様」と呼んでいる。
年齢は47歳。わたしより若干年下ではあるが、その風情にはとてつもない重厚さを感じる。
初めは、離れたところから見た。
高い塔のてっぺんに、三角の小山のような布の塊が積まれているのを見つけ、
(およそそうとは見えないながらも)
…もしやあれは生命体ではないか? という直感と期待が走った。
そう。彼女は塔の上で、さらに遥かに見える隣の敷地にある遊園地の観覧車をながめ見ていた。
わたしが初めて出逢ったのはその後ろ姿だった。
わたしが仰ぎ見ながら近づくと、時を待っていたかのように彼女は動き出した。
見ているわたしを、見ている。(と思えた。)
スルスルと降りて来る、と思ったら途中で、やーめた と、始終けだるそう。
その姿にわたしが釘づけにになっているのを彼女は知っているのだ。
上から下へ。けだるそうに、優雅にゆっくりと動いては、チラとわたしを見やったかと思うと、次は右へ。
ちょっと止まってまたわたしに軽く眼をおく。
そしてだらーんとぶら下がり、遠くを見る。
「関係ないわ」という横顔でありながら、見透かされている感覚に、ときめいているわたしがいた。
生活のステージ全体を右から左へ。
頭から腰まで覆い尽くす赤い巻き毛。その前髪は流行のチャーミングなオン眉。毛並みが手入れされずに小枝が刺さっている姿すらファッショナブル。
まさに、カッコ可愛いのだ!
憧憬の念。
図らずもちょうどの時間だったのだろうが、突然、ステージ中央に食事が提供される。青々とした菜葉に、赤や黄色の野菜類。
ネオ様、ゆるくゆるく近づいいていくようで、「どっちでもいいわ」と行きつもどりつじわじわとようやく近づき、片手をロープにつり革の如くつかまったまま、低い姿勢で置かれた食事を顏を床に付けて食べ始める。
「!」
ねえ? 空いている もう片方の手を使わないの?!
いや、一方の挙げた手すらつかまる必要もない平坦な足場というのに。
まあ、なんてお行儀!!??(*_*)
ととっさに思ったわたしに、わたしは衝撃を受ける。
憧れの方に
わたしにはない価値観を、目の前で差し出される。
そ、れで いいのか… (ガラガラガラ…崩れる音)
翻弄されるわたし。
は?
不思議…!
こんなことをしても
優雅!!!?
おお、
居るだけで華やかなオーラ
自由
優雅
わたしが実に求めている生き様はコレであった。
東山動物園のオランウータンのネオ様は
この日わたしのメンターとなったのです。
2018年 立春の日の出来事。
閉園時間間際にもう一度訪れたら、遠く高くに座ったまま動かず何度となくわたしにチラチラと目を合わせてくれた。
どこまでも魅了する
媚びない姿
わたしの憧憬の塊
また会いに行きます。
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