私のオフィスの机には、いつも鏡が置いてあります。
ある日、新入社員にこう聞かれました。
堅い会社に、シックな格好の人々の中、いつもカラフルな私。
鏡まで置いて、相当、見た目気にしすぎて、昼間も化粧の仕上がり具合を気にしてるに違いないとでも思われたのか、
「あの、聞いていいですか?何で、鏡が机の上に置いてあるんですか?」
「あ~、これね。これは、バックミラー。
社長がいつ何時近づいてきても、臨戦態勢取れるようにね。」
「へぇ~、そうなんですかぁ~・・・」
フフフ・・・
新入社員よ。
それを聞くかね。
そう簡単に鏡の秘密は、教えてあげないよ・・・。
何つって、恥ずかしくて言えなかったが、この鏡には秘密があります。
以前の私は、笑えない人間でした。
仕事や周りに対して不満だらけで、しかめっ面で、眉間に大きな縦じわ、くっきり。
ある日、トイレで自分の顔を見て、びっくりしました。
こりゃー、誰も寄ってこないよ。
皆、ビクビクしてるもん。
負のスパイラルでグルグル回る。回転木馬。
どうしよう。
どうしたらいいんだ。
ふと、思いついたのが、机の上に鏡を置くこと。
常に机の上に置いておけば、自分のしかめっ面のチェックができる!
それ以来、自分の戒めの為、鏡を常に置くことにしました。
二度と前の自分に戻らないために。
二度と笑顔を忘れぬために。
鏡よ鏡よ、鏡さん。
さあ、今日の私はどんな顔をしてるかな?
・・・唇に、ふりかけの海苔が付いてます。
でも、大丈夫。
今日も私は、美しい。
私に笑顔がある限り。