貿易

 

貿易赤字はダメで貿易黒字は良い?

 

そんなことはありません

 

車を輸出してみましょう

 

100万円の価値のある車を100万円で外国に売った

 

別に得はしてません

 

等価交換です

 

ワインを輸入してみましょう

 

10万円の価値のあるワインを10万円で外国から買った

 

別に損はしてません

 

等価交換です

 

どれだけ輸出しようが、どれだけ輸入しようが損も得もしません

 

ではなぜ輸出が奨励されるのか

 

今の日本もそういう風潮がありますし、

世界の歴史を見ても輸入を制限して輸出が奨励されることが多々ありました

(重商主義、保護貿易などなど)

 

世界を3人の村と考えてみましょう

 

Aさん→自動車屋さん(日本)

Bさん→機械屋さん(日本)

Cさん→ワイン屋さん(フランス)

 

Aさんは毎月

100万円分の機械をBさんから買って

100万円分のワインをCさんから輸入します

 

Bさんは毎月

100万円分の自動車をAさんから買って

100万円分のワインをCさんから輸入します

 

Cさんは毎月

100万円分の自動車をAさんから輸入して

100万円分の機械をBさんから輸入します

 

まあつまり3人とも

収入は200万で

支出も200万です

 

ここで

Cさん(フランス)が日本からの輸入をストップしたとします

 

すると

 

Aさんは毎月

100万円分の機械をBさんから買って

100万円分のワインをCさんから輸入します

 

Bさんは毎月

100万円分の自動車をAさんから買って

100万円分のワインをCさんから輸入します

 

Cさんは毎月

なし

 

まとめると

 

AさんBさんは

収入が100万円

支出が200万円

 

Cさんは

収入が200万円

支出が100万円

 

になります

 

もう言いたいことは分かりましたか?(笑)

 

ここで注意すべきは

損も得もないということです

 

だってAさんBさんは収入が減りましたがその分暇になってるわけです

 

プラマイゼロですよね

 

でもAさんBさんは思うように商売できてないのは事実です

 

たぶん気持ちは

もっと働いて稼ぎたいと思ってるはず

 

でも需要がないのでどうしようもない

 

また、もしAさんBさんがアルバイト君を雇っていたら解雇しなくてはならないかもしれません

 

たくさんの人の雇用が奪われる

 

このように輸出輸入の問題というのは

「需要」と「雇用」の問題ということができます

 

輸出輸入によって損や得が生じるわけではないですが「需要」や「雇用」がなくなるのはきついですね

 

ちなみに

 

世界の貿易は基軸通貨である「ドル」が使われます

 

例えば日本からアメリカへ自動車を輸出した場合

 

日本からアメリカへ自動車が

アメリカから日本へドルが

交換されます

 

でも、ドルをもらったところで日本では使えないわけで…

 

ドルをもらった日本の会社は銀行で円に変えてもらいます

銀行は交換したドルを次の2つに使います

 

①外国から何かを輸入したい人のために円とドルを交換してあげる

 

外国から何かを輸入する場合、ドルじゃないと買えませんから、円をドルに変える必要があります。銀行はそういうお客さんのためにドルを取っておきます。

 

②投資する

 

ドルを使って投資します。外国の企業の株を買ったり、外国の国債を買って持っているドルを増やそうとします。

 

つまりまとめると

輸出によって稼いだドルは

①外国から物を買うときに使うか

②外国に投資するか

のどちらかになります

 

ここで言いたいのは

 

ドルがどれだけあっても日本じゃ使えないということ

 

なので

稼いだドルで、外国から何か買わないと損です!

 

せっかく頑張って自動車を作って

ドルをもらっても日本では紙屑ですから

そのドルで外国産のおいしいものでも買わなければ等価交換になりません(笑)

 

まあでも

日本は資源がないですから

輸出して外貨を稼いで

そのお金で石油を買うという宿命があります

 

おいしいものを買ってる場合ではありません

 

自動車産業頑張れ!