カン君との楽しかったお休みも終わり、翌日からお仕事です。


新しい男の人が職場に来てるらしく、私は初対面でした。


事前に何人かの人に聞いた情報では、


「凄く良い人」

「凄く面白い人」


でした。


要はブサイクな人が来るんだと思い込んでました。


初めて見た新しい人さんは、高身長でスリムな目元涼しげなイケメンさんでした。


お歳を訊くと35歳との事でした。


お店は結構忙しくて、バタバタと1日が過ぎました。


あんまり掃除も出来ませんでした。


最後にレジを締めていると、横に来て一緒にお金を数えてくれました。


なんだかパソコンが思ったように出来ず、モタモタしていると、横であからさまにイライラしています。


パニックになって、とにかく早く帰ってもらいたくなりました。


先に着替えて貰うように促すと、直ぐにバックルームに消えていきました。


彼が居なくなって直ぐに終わりました。


店を見ると…


何にもしていませんガーンガーンガーン


残っていた後片付けをして、上に上がると洗濯機もスルー。


シャンプークロスを干していると、


「あー鍵一つしか無いんですね、待ってますね。」


違ーう!しておいてくれなかった事が多すぎるのよ!


そかそか、私が教えなきゃいけないのか…


なんで?


私、まだ働き出して2ヶ月も経って無いのにえーんえーんえーん


全部出来る人が来るって聞いていたのに、彼は全くの派遣さんで、普通の店舗スタッフがする事は何一つ出来ない人なのでした。


なんかさ。


ちょっと違うのよ。


私と彼の歳の差15歳。


ちょっと私無理だわ。


ゆとりなのか?これがまさしくゆとりなのか?


ん?でもクロちゃんと同じ歳だわねーねーねー


この彼が特別変わってるのかしら?


彼に「あの人」の話をすると、


「僕そんなん1日でやめますよ!」


うん、やめると思う。


追いかけ回して本人が聞いても来ない事を教えるのもダメな気がしていたのですが、困るので教える事にしました。


上からにならないように…


くどくならないように…


怒らせないように…


にゃ!思春期の息子に対してしていた気遣いと同じ笑い泣き笑い泣き笑い泣き


あー疲れる。





彼とのお仕事3日目。


今日は応援の人が、あの人のお気に入りだった人で、お店も回してくれるし、レジ締めもスムーズ。


彼とも歳が近いので、和やかでした。


サッサと帰って行く二人を見送ってから気が付きました。


店の鍵を持って来てなかったえーんえーんえーん


取りに戻って鍵当番表を見て気付きました。


火水と私は連休で、木曜は彼が鍵当番でした。


彼に鍵を持って帰ってもらわねばなりません。


店の鍵を閉めて慌てて追いかけました。


「すみません、私連休で鍵を持って帰ってもらわないといけないんですけど?」


「俺、鍵当番水曜日ですよ。」


「いえ、今見たら木曜日だったんですけど。」


「ええ?見に戻ります?」


なぜか見に戻る事になりました。


「ええ!そんなん何かくれないんですか?聞いてませんよ俺!」


「自分で書き写して帰らないとダメですよ。


何ももらえないんで。」


「ええ〜、そんなん俺が持って帰らないとダメなんですか?


誰か代わりに開けておいてくれないんですか?」


何この人?


大人か?駄々っ子か?


迎えに来てくれているカン君の車を素通りして店に戻りました。


電気をつけて確認すると、やっぱり彼が木曜日の鍵当番でした。


「ね?持って帰って下さい。」


「いや、俺そんなん怖いから置いて帰ります!


水曜日出勤なんで!」


「そうなんですか?じゃあここに入れときます?」


ハッ!今閉めて帰れない!ぐすんぐすんぐすん


「ダメですやん、今どうやって閉めるんですか?


やっぱり持って帰ってもらわないと無理です。」


って無駄な時間の後、無事に鍵を持って帰ってもらえました。


あー、疲れる。


因みに彼は彼のせいで無駄な時間を過ごしたのに謝ってはくれませんでした。




彼…私より先に辞めそうな気がしますねーねーねー


そして初めてマスクを取ったお顔を見ました。


イケメンでは…ありませんでしたねーねーねー