12月になりました
昔の記憶がまた一つ

私の祖母は101歳で亡くなった
私が27歳のクリスマスの日だった

明治生まれの祖母は 気高い人だった

大学病院で助産婦として看護婦長として
働いていたらしい
現在は助産師さんというのだろうが

昔の人にしては珍しく
祖母は晩婚であり高齢出産をしている
今の私の年齢よりも父を産んだのは遅い
そして父は一人っ子だ

私が子供の頃 祖母は既に
80歳前後だったので
祖母が働いていた記憶は私には全くない

父の仕事の関係で社宅から
今の実家がある場所へ引っ越しをした
私が小学校2年生の冬だった
社宅の頃は祖母は入退院を繰り返して
あまり自宅には居なかった
しかし引越し先の新居では
新しい家で亡くなるなんて縁起が悪い
と祖母は言っていた
そして祖母はだんだん元気になり
とても長生きをした

共働きの我が家は
母はいつも忙しく日々の生活に追われていた
私も2歳から保育園に通い
夜はウトウトしながら
怒られながらご飯を食べていた記憶しか
残っていない
小さい頃の写真も保育園の写真ばかりだ

祖母は私の心の拠り所だった
暗い公園で母の帰りを待つ
私の遊びに付き合ってくれたのも
学校で作った作品や手作りのプレゼントを
喜んで受け取ってくれたのも
全て祖母だった

姉と祖母は相性が悪かった
二人とも気が強く主張が強かったのだと思う
私も姉とは相性が悪かった
祖母とよく一緒にいた

小さい頃 私の夢は
看護師さんになる事だった
結局その道は選択しなかったが
祖母はたまに
働いていた頃の話をしてくれた
そして
ばぁちゃんが死んだら体拭いてね
と必ず言っていた

祖母が旅立つ時
その約束を私は守った

でももう一つ 約束がある
祖母が旅立つ3日前にした 約束
祖母と一緒にある場所へ行くこと
小さい頃 祖母に連れられて行った場所
そして今もまだ そのまま
その約束は 止まっている

私はずっと祖母に守られていたのだと思う
長生きしてくれてありがとう

一緒に 行こうね
もうちょっと待っててね